DISCASレビュー

カッツ
2025/11/29 07:34

島の女

1957年公開、ソフィア・ローレンとアラン・ラッド主演、ギリシャ・エーゲ海を舞台にしたロマンティックな冒険ドラマである。物語は、ギリシャの小島で暮らす海女フェードラ(ソフィア・ローレン)が、海中で「イルカに乗った少年」のブロンズ像を発見することから始まる。やがてその像をめぐって、考古学者や美術商たちが絡む宝探しの騒動へと発展していく。

若き日のソフィア・ローレンが、素朴でたくましい海女として登場する姿は非常に印象的で、彼女の健康的な美しさと存在感が、映画全体に生命力を与えている。エーゲ海のまばゆい陽光と青い海、白い家々といった風景もまた、物語に詩情を添えている。

そして何より、主題歌「イルカに乗った少年(Boy on a Dolphin)」の旋律が、映画の情感を一層引き立てている。哀愁を帯びたメロディは、ギリシャの海と人々の暮らし、そしてフェードラの心の揺れを美しく包み込んでいる。

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