全女性へのエール!哀れなるものたち
ヨルゴス・ランティモス史上、最もわかりやすい傑作
第81回ゴールデングローブ賞受賞
作品賞(ミュージカル・コメディ部門)
主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)
エマ・ストーン
監督:ヨルゴス・ランティモス
制作国:イギリス
配給 :ディズニー
時間:142分
映像区分:R18
ヨルゴス・ランティモス作品はブラックコメディで観る人を居心地悪くさせる作品を作る。今回は原作があり、そちらも気になる所ですが、非常にわかりやすくアートなファンタジー映画となっています。
体は大人、脳は赤子。
モノクロで始まる世界。
ゴッドウィン博士(ウィレム・デフォー)は顔中ツギハギだらけ。フランケンゴッド。マッドサイエンティストの父に日夜実験台とされて大人になった。ゴッドも解剖学を生徒に教えながら、同じように実験の日々。ある日、美しい溺死体を拾う。その死体は、妊婦だった。その妊婦の胎児の脳を、蘇生した彼女に移植した。そうして目覚めたのが、ベラ(エマ・ストーン)だ。
体は大人、脳は赤子。コナンくんとは真逆。
しかしベラは目覚ましい成長を見せるし、育ての親である、ゴッドパパも絵本を読み聞かせたりと、頑張っている。しかし、それも束の間誰もベラの成長を止められないのです。ベラは外の世界に興味津々!ある時、彼女は自分の脚と脚の間に、悦びの場所があることを見つけます。この時ベラが、何歳まで成長しているかは定かではないのですが、私自身を振り返っても、割とその辺に何か女の秘密がある事に気が付いたのは、小学生の低学年くらいでしたかね(知らんがな)なので、きっとベラもその位にはなっていたはず。そんな彼女の観察をする助手に、マックス(ラミー・ユセフ)を抜擢。
そばにいて一緒に過ごす内に惹かれ、なんとゴッドパパはベラと婚約させます。このまま幸せに暮らすのかと思いきや、その婚姻契約書を作りに来た、ダンカン馬鹿やろう(マーク・ラファロ)と駆け落ちしちゃいます!何故、ダンカン馬鹿やろうかは、最後まで観るとわかるのですが、このダンカン。変わっているけど、美しいベラにちょっと興味が湧いたただけなんですよね。で、外の世界を見せてやるよって、誘ったらホイホイついて来て、なんならSEX三昧でお盛んでございます。
欲望のままに、そして精神的成長
ちなみにここからカラーになります!
ベラの衣装がとっても素敵。ちょうちん袖にシースルー。華やかなトップスでどれも私のお好み。でもそれをすぐにスルンと脱いじゃうエマもお好み。体張ってましたねー。今回はインティマシー・コーディネーターを付けてラブシーンの振り付けを行ったそうです。ちなみに性器もおけけも、全て無修正。人間なんて、人生なんて、男と女なんて、性欲が大半を占めているのだ、と言わんばかりの時、奔放なベラに対応出来ず、ダンカンはベラを閉じ込めるべく、船旅へ連れ出します。ここで出会った黒人の若者ハリー(ジェロッド・カーマイケル)と悟りを開いたかのような老婆マーサ(ハンナ・シグナ)。
2人とのシーンが転換期。世の中の女性、貧富の差、哲学を学び、ベラがどんどん大人の女性に変化していきます。マーサとの会話もですが、最後に交わしたハリーとの会話が素晴らしい。宗教、資本主義、社会主義、どれも信じず、現実主義でいて、真実を見極める人になれとエール。もっと2人の話を聞きたい程に大好きなシーン、まるで女性へのエールにも思えて、思わず涙が溢れました。
貧しい人へお金を全部渡したベラ。それはダンカンのお金でした。2人は船を降ろされます。
パリでは、娼婦となり稼ぐ事にしました。
ダンカン馬鹿やろうは、そんなベラを軽蔑します。そこでもベラはあらゆる経験をして、成長していくのに、再び現れたダンカン馬鹿やろうは、娼婦になったことをなじる。
自分はいいけど、お前はダメ。典型的なオレ様タイプの男、ダンカンバカヤロー!!
ところが、ロンドンから知らせが来ます。
ーゴッドが死にそうだー
戻ると余命わずかで弱々しいゴッドが寝ている。マックスは今でもベラを愛していて、その気持ちに応えるベラ。結婚式にはゴッドが最後の力を振り絞って参列します。どの衣装も美しかったけど、このウェディングドレスが1番素敵。しかし、そこにまさかの『ちょっと待ったー』ベラが自殺する原因となった旦那が登場です。この旦那がまた酷い男。
ここでも女性を束縛し、自由を奪う男が立ちはだかるのだ。
世の中の全てを知った彼女を待つ物は
服装からは昔の感じもするけど、進むにつれて未来的な風景も混ざる。魚眼レンズが多用され、不思議な視覚を楽しむ作品だった。
叡智を得て、更には経験も伴い、世界の美しさのみならず闇の汚い部分を見た事により、実に聡明な女性へと変貌を遂げた。
注目すべきは、娼婦となってからの方が、世の中の仕組みも、更にはジェンダーについても非常に賢い女性になった事。常に本を読み勉強し、医師を目指していく。
科学で人を切り貼りすれば、このような人間が出来ると言うことを言っているのだろうか。
いいや私はそこに、やはり『愛』を感じてしまう。だから、この作品を観て心が動き涙が溢れてしまったんだと思う。
常にベラを閉じ込めようとする男性が現れますが、それをしない男性にも巡り会えます。
ラストは思っていたより、平和だったと感じてしまいましたが、文字通り、全てをさらけ出したエマ・ストーンを存分に味わえる傑作です。
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投稿を表示じゅーんさん!作品観ました🎬本当!ダンカン馬鹿野郎!!でした(笑)シーンが美しく一枚の絵画を紡いだ作品でした。特にダンスシーンがお気に入りです。
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投稿を表示めちゃくちゃ真剣に読んでたのにダンカン馬鹿野郎で思いっきり持っていかれました!!(笑)
ほんと、ダンカンバカヤロー!(ビンタ)
ぶっ飛んだ設定なのにとても知的な作品でしたよね。
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投稿を表示ダンカン馬鹿やろうが頭から離れないわ 笑 インスタよりも細かく追求して書かれているね!娼婦になるとどんどんハマって人として堕ちていきそうな感じがしたけど、確かに逆に賢い女性になっていったよね。あと船の上での2人との出会いは本当にベラの人生や価値観を大きく変えたと思う。ああいうラストシーンは私好きなんだよね✨
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投稿を表示ダンカン馬鹿野郎連発に爆笑だわ🤣
自分もさ 古い時代設定だと思ったら 上空のモノレールみたいな乗り物あったりと 近未来なの?なんて見ながら考えてましたよ😅 ヨルゴス監督作品でも原作があるとストーリーの軸がしっかりしてるから 物語がちゃんと見えてくるんだよね👍
籠〜やロブスターとかなんてストーリーがあってないような世界観だったし 女王陛下のお気に入り並みにストーリーとしては良かったよ😊 あと コラム勉強になります👍 自分のは期待しないでね😅
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