Stella
2024/03/04 22:21
「潮騒」 から “Une amoureuse est une criminelle(恋人は犯罪者の様なものだ)”
「潮騒(Le hazard et la violence)」(1974 )
フィリップ・ラブロ監督、イヴ・モンタン、キャサリン・ロス 、 カトリーヌ・アレグレ(イヴ・モンタンの義娘)が出演する社会派サスペンス作品。
中年の心理学者と美しい女医の激しい恋と、彼らに迫る不条理な暴力を描いている。執筆のためフランスの海辺の町を訪れた心理学者ローランは、そこで理由なき暴力に遭遇したことをきっかけに、若く美しい女医コンスタンスと出会う。瞬く間に恋に落ちた2人は激しく愛を交わし合うが、再び忍び寄る暴力によって2人の運命は無惨にも引き裂かれてしまう。
「Une amoureuse est une criminelle(恋人は犯罪者の様なものだ)」
女医の病院に診察にきた心理学者との会話で、“愛ってなんなの・・”と語ると、“恋人は犯罪者の様なものだ、共犯も求める。”と、映画の最後の終わり方を予感させる会話であるが、彼はボードレールの言葉だと付け加えている。
映画の感想
彼の隠さなければならない過去や、現在の重い病気、また助演の人達(女医の兄、亡くなった老医師の息子)も不穏な音楽で演技をするのだけど、映画の中では、その部分がクリアに伝えられていない。
理由なき暴力と報復については、心理学者がトイレで襲われたり、同犯人はケーキ屋を破壊する行為によって正当防衛で殺されるところも、不条理というか、原題の執筆(改版)中の書籍のタイトル“偶然と暴力”ということなのだろうが・・・。全体的にあいまいに終わっている作品。
こういう中年男はモンタンの一人勝ち?
こういう役、やっぱりモンタンだろうか? 他のタイトルが似ている「うず潮」(1975)等の作品でも、ちょっと知的、ちょい悪(調子いい)、様になるアクション等のトータルのスキルが満載のムッシューである。
そういえば、映画で“ハンサムではないはね”と女医にいわれるのは、なるほどと笑ってしまった。イケメンではないけど粋メンか??
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