DISCASレビュー

カッツ
2025/10/13 07:42

その土曜日、7時58分

兄弟ふたりが悪い方へ悪い方へと転がり落ちていく、なんともやるせない物語である。
優雅な暮らしを送る会計士の兄アンディと、娘の養育費に苦しむ弟ハンク。ふたりは、勝手知ったる両親の営む宝石店なら簡単に盗めると考え、強盗を計画する。しかし、思惑通りには進まず、事態は予想を遥かに超える最悪の結末へと向かっていく。
兄弟の愚かさと切実さ、そして家族の崩壊が、静かに、しかし確実に描かれていく。犯罪のスリルではなく、人間の弱さと欲望が浮き彫りになる作品であり、観終えた後に重い余韻が残る。
 

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