チーム 名画座
2024/11/20 23:39
昭和・平成シネマ画報 「駅 STATION」「エルビス・オン・ステージ」
『駅 STATION』(1981)
オリンピックの射撃選手でもあった刑事の半生を、北海道を舞台に3人の女との出会いと別れを通して描いた人生模様。その時々をオムニバスにも似たスタイルを取りながら、人生の哀歓を噛みしめるが如く見つめています。
高倉健演じる実直な刑事は、妻の不貞をどうしても許せずに、幼い息子と彼女を北海道の小さな駅で見送ります。やがて、彼の先輩刑事の命を奪った連続殺人事件や、若い女性ばかりを狙った通り魔事件の犯人を追うなどの日々の中で出会う女たちの哀しい人生と重なりながら、時に職を辞する事を胸に秘めて、今を生きています。倍賞千恵子演じる居酒屋の女将との出会いと別れが、この作品の重要な物語でもあります。大晦日の夜の『紅白歌合戦』。2人で肩を寄せ合い指を絡めながら聴いた『舟唄』が心に沁みる。まるでこの映画のために書き下ろした曲か、と錯覚してしまうほどの名場面なのです。
『エルビス・オン・ステージ』(1971)
エルビス・プレスリーのコンサートツアーを追ったドキュメンタリー映画。
彼の全盛期の時代を知らない者にとっては70年代に入って人気復活したこの時の姿が初遭遇。シネラマの大画面で観るエルビスの歌とド派手なアクション、そして観客の異様なまでの熱狂ぶりに、これが本場のエンターテインメントかと思わずにいられない! 彼が天に召されたのが42歳という若さでした。その当時まだ10代だった私にとっては、かなりの″年配者″としての印象でした。そんな私も、プレスリーの年齢をはるかに越えてしまいましたが。
コメントする