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大晦日に見てしまう映画「駅STATION」

1981年の製作ですが、設定は1970年代、そして80年を迎えるまでの10数年間を描きます。

倉本聰脚本、降旗康男監督、高倉健主演と「冬の華」につづく作品です。

©TOHO

高倉健扮する刑事は射撃選手としてオリンピック候補という設定で、なにかと射撃の必要となる現場を持たされます。スポーツとしての銃と職業として銃を握る男の非情さ、不条理性を倉本脚本は高倉健に背負あわせます。

 

舞台は北海道ー錢箱ー札幌ー増毛ー雄冬と展開し、主人公にかかわる女性ーいしだあゆみ、古手川祐子、烏丸せつこ、倍賞千恵子とエピソードをリレーしていきます。

他出演者は平田昭彦、池部良、大滝秀治、藤木悠、阿藤海、村瀬幸子、北林谷栄、佐藤慶、寺田濃、田中邦衛、小松政夫、草野大吾に根津甚八と、鬼籍に入った俳優が多くなっています。

 

倉本脚本はセリフが少なく、俳優の表情で話しを転がしていきます。またテレビ脚本家ゆえか、当時の世相を反映させます。

メキシコオリンピック出場を目指してのシーンで自衛隊出身の円谷選手(マラソン)の自殺のニュースを流します。その遺書が語られます。遺書を基にフォークソングがつくられました。

本作が高く評価されているのが、倍賞千恵子の居酒屋で年末の紅白歌合戦を見ながらのシーンです。

ここで八代亜紀の「舟歌」が挿入されます。これが三度もソースミュージックとして挿入されます。この居酒屋での高倉健、倍賞千恵子のシーンが無駄のないセリフでFIXで見事なカメラワークで見せます。いまの映画人は見習うべきだと思います。撮影監督は黒澤組の生き残り、木村大作で、この人の主張がガンガンでています。自然の描写が素晴らしい。その後、このコンビで製作した「夜叉」(脚本は倉本聰ではない)を見た黒澤明がこのカメラ称賛し、木村大作と知ってやや驚いたそうです。

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もうひとつ列挙しておきたいのは画面上、ワンシーンしか出ない根津甚八です。セリフもないシーンですが、その後、高倉健に送る手紙の読みがなかなかのもです。

高倉健はずっと逆境に耐える孤高の人を演じてきました。根津甚八もニュアンスは違いますがクールな孤高の男を演じられる俳優でした。この手の男を演じれる俳優が日本にはいません、ヒーローがいないんです。

 

もう50年近く前の作品になりますけど、「男はつらいよ」以外で年末年始を描く作品でした・・・

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