フランス映画

Stella
2025/04/09 22:46

❤フランス歌曲が使用された映画 4作品!

◆フランス歌曲が使用された映画!

 シャンソンや19Cのフランス歌曲等のフランス語の歌が使われた映画を意識して調べてはいるものの、そこまで多くの映画には使われてはいないし、ほんのちょっと使用されたもの等がある程度。

 何回か投稿している、「花の二重唱」は、よく使用されている方だが、正確には、オペラの歌(アリア)なので対象とせず、純粋な歌曲が使用されたものが4作見つけているので、まとめてご案内する。

◆使われたフランス歌曲と作品

・歌曲集「夏の夜」 :ベルリオーズ(1840)、 詞:ゴーティエ

・Le temps des lilas(リラの花咲く季節) :ショーソン(1877)、詞:ブショール

・Nuit d'étoiles(星の夜):ドビュッシー(1880)、詞:バンヴィル

・歌曲集「灰色の歌」:アーン(1891)、 詞:ヴェルレーヌ

・伴奏者 (L' Accompagnatrice)(1992)

・主婦マリーがしたこと(Une affaire de femmes)(1988)

・婚約者の友人(Frantz) (2016)

・エタニティ 永遠の花たちへ (Eternite)(2016)

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「伴奏者 (L' Accompagnatrice)」(1992)

  クロード・ミレール監督、ロマーヌ・ボーランジェとリシャール・ボーランジェ親子と、エレナ・サフォノヴァが出演。

  世界的なプリマ、イレーヌの専属ピアニストになった少女ソフィは、美しく奔放な彼女にあこがれる一方、憎んでもいた。常にスポットライトを浴びるのは当然、と傲慢な所もある女だったが、事業家の夫は溢れるばかりの愛をイレーヌに注いでいた。やがてナチの台頭凄まじく、対独協力者に見えた彼はカバン一つで、妻とソフィを連れロンドンに渡る。しかし、そこでイレーヌを待ち受けたのは、若く魅力的な愛人ジャックだった。

 「主婦マリーがしたこと(Une affaire de femmes)」(1988)

  クロード・シャブロル監督、イザベル・ユペール、フランソワ・クリュゼ、マリー・トランティニャン、娘役にユペールの実娘(ロリータ・シャマー)が出演。

ナチ占領下のフランスで、生活のため、にわか堕胎医となった女(イザベル・ユペール)。彼女が夫の密告により逮捕され、ギロチンにかけられるまでを、緊迫感の醸成によりクールに描く。

 「婚約者の友人(Frantz)」(2016)

  フランソワ・オゾン監督、ピエール・ニネとオーディションで選ばれたパウラ・ベーアが出演。

第一次大戦直後のドイツとフランスを舞台に、戦争で婚約者を亡くしたドイツ人女性と、そんな彼女の前に現われた亡き婚約者の友人だという謎めいたフランス人青年との心温まる交流と、青年が抱える秘密と葛藤を、モノクロを中心に、ミステリアスなタッチで描く。戦後間もない1919年のドイツ。戦争で婚約者のフランツを亡くし、悲しみから立ち直れずにいるアンナはある日、フランツの墓の前で泣いている見知らぬ男性と出会う。アドリアンと名乗るその青年は、フランツと戦前のパリで知り合ったと明かす。

 「エタニティ 永遠の花たちへ (Eternite)」(2016)

 トラン・アン・ユン監督、オドレイ・トトゥ、メラニー・ロラン、ベレニス・ベジョ他が出演。

運命に翻弄されながらも世代を超えて命をつないでいく女性たちの姿を描いたドラマ。19世紀末のフランス。婚約を破棄したにもかかわらず、あきらめないジュールに心を動かされた母(ヴァランティーヌ)は、やがてジュールと結婚。年月とともに夫婦としての絆も深まる。戦争や病で子どもたちを失う悲しみを乗り越え、無事に成長した息子のアンリが幼なじみのマチルドと結婚したことを喜ぶ。大家族のような賑やかで幸せな日々が続く。


 ◆歌曲のことを少しづつ!

    作曲者としては、ドビュッシー以外は、あまり有名ではないかもしれない。詩人も、ベルレーヌなら、知ってる方もいるかと思う。

 個性的なベルリオーズの歌曲集「夏の夜」は6曲からなるなかなかの大作で、1 Villanelle(ヴィラネル)は野いちごを摘む若い恋人たちの春を喜ぶ歌で、2 Le Spectre de la Rose(バラの精)は折ったばらを身につけた少女に夜、ばらの精が話しかけるロマンティックな歌。ロマーヌ・ボーランジュが主演する「伴奏者 (L'Accompagnatrice)」では、美しいプリマがベルリオーズを歌うが、モーツアルト等のドイツ歌曲も歌い華やかである。最後は若い恋人のところに向かう。(随分前に、最後の曲6 L'île inconnue(見知らぬ島)を歌った事があるが、意気揚々とした歌である。)

 ショーソンのLe temps des lilas(リラの花咲く季節)は難しい曲だが、「主婦マリーがしたこと」では、マリーが歌の教室で、この曲を練習しているシーンがあり、エンディングでも少し使われ、哀愁というより悲しみの刹那的な曲想である。(随分前に歌った曲だが、好きなカウンター・テナーのフィリップ・ジャルスキーのレパートリーの曲だったので、歌う気満々になってしまった。2023年の♪サロン・フランセで歌った。)

 ドビュッシーのNuit d'étoiles(星の夜)は、比較的初心者でも歌いやすく美しい曲で、「婚約者の友人(Frantz)」では、フランスでアドリアンを探していたアンヌが、縁あってピアノ伴奏をするのだが、心ならずも恋人達の演奏につきあわされ、アンヌは悲嘆にくれてしまう。

 アーンの歌曲集「灰色の歌」の1 Chanson d'automne(秋の歌)は有名なヴェルレーヌの詩。「エタニティ 永遠の花たちへ (Eternite)」では、家族がそろった演奏会で、5 C'est l'heure exquise(恍惚の時)をソプラノ歌手がまったりと歌う。この映画はセリフが少なく美しい情景で流れていく絵画的な映画なので、詩的なエッセンスが効いている。この曲は、大人のムードで好まれる一品である。アーンは1894年にマルセル・プルーストと出会い交友関係は生涯続いていることで知られる。(この曲と同じヴェルレーヌの詩でマスネの重唱曲「夢見よう、今はその時」を昨年2024年の♪サロン・フランセで歌った。フィリップ・ジャルスキーのレパートリー曲でもある。)


◆関連の投稿

・2023年のコンサートの楽曲 映画「ロバと王女(Peau d'Âne)」など<ご紹介>

https://community.discas.net/announcements/o9gjyotw9q9tm2gu

・2024年3月のコンサートの演奏曲 「ぼくの伯父さんの休暇」から「パリのお天気はどう?」

https://community.discas.net/announcements/wz05h5pemu6fjxi1

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