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カッツ
2025/12/24 20:10

イングリッシュ・ペイシェント

1996年/アメリカ

1996年に公開された『イングリッシュ・ペイシェント』は、第二次世界大戦下の北アフリカを舞台に、戦争で重傷を負った男と人妻との禁断の恋を描いた、叙事詩的でノスタルジックな戦争恋愛映画である。砂漠の雄大な空を飛行機がどこまでも進んでいくシーンは、映画全体のスケールと孤独感を象徴する印象的な場面だ。

物語は複雑で、予備知識がないと最初は人物関係がつかみにくい。劇場で初めて観た際、イングリッシュ・ペイシェントと不倫関係にある男女がどのように結びつくのか理解しづらかった。しかし、砂漠で育まれる二人の愛情や、彼女の夫が嫉妬から飛行機を墜落させようとする展開は強烈で、感情の流れは十分に伝わってくる。

二度目の鑑賞で、不倫相手の男性こそが“イングリッシュ・ペイシェント”であることが明確に理解でき、物語の構造がより立体的に見えてくる。また、彼を執拗に追うカナダ軍諜報部の存在も絡み、戦争・愛・裏切りが複雑に交錯する重層的なドラマとなっている。

戦争の混乱、砂漠の雄大さ、そして許されない恋――そのすべてが壮大なスケールで描かれ、まさに“映画らしい映画”と呼ぶにふさわしい。特に冒頭、砂漠の上を飛行機が静かに滑るように飛んでいくシーンは、何度観ても心を奪われる美しさがある。

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