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2025/07/31 21:49

南極物語(1983)

南極物語(1983)

 1983年 日本 劇場公開:1983年7月23日

スタッフ 監督:蔵原惟繕 脚本:蔵原惟繕、野上龍雄、佐治乾、石堂淑朗 撮影:椎塚彰

キャスト 高倉健、渡瀬恒彦、岡田英次、夏目雅子、荻野目慶子、日下武史、神山繁、山村聡、                            江藤潤、佐藤浩市 ほか

昭和三十三年二月、南極の昭和基地から第一次越冬隊員が第二次隊員と交替すべく観測船“宗谷”へと“昭和号”で空輸された。だが、例年にない悪天候のため第二次隊員は昭和基地へは飛ばず、第二次越冬は中止と決定した。犬係の潮田と越智は、基地に残された十五匹の犬を救うべく“昭和号”を飛ばしてくれるよう小沢隊長に食いさがったが、満身創庚の“宗谷”には、これ以上南極の海にとどまる力はなかった。初夏、潮田は北海道大学講師の職を辞し、樺太犬を供出してくれた人々を訪ね歩く謝罪の旅に出た。なかには「どうして連れて帰って来なかったの!」と激しく怒りをぶつけてくる少女・麻子もいた。潮田の謝罪の旅を知った越智は稚内に向かう。稚内では学術探険に貢献したとして十五匹の犬の銅像が建てられ、その除幕式が行なわれていた。集った人々の中に潮田の姿を見つけ、外国人記者がぶしつけな質問を浴びせた。「この手で殺してやればよかった」と悲痛な表情で語る潮田を見守る越智。その頃、南極では犬たちの生きるためのすさまじい戦いが展開されていた。戦いは首輪を抜け出すことからはじまり悪戦苦闘の末に自由を得たのは十五頭のうち八頭だった。

タロとジロ他の犬たちが南極に置き去りにされるという、何てショッキングな話なのだろうと、ハラハラドキドキしながら興味深く見たものです。最後にタロジロが元気に潮田、越智に抱かれる個所(実際とはちょっと違うが)はもう涙無くしては見られませんでした。

当時は南極なんて、テレビでもあまりお目にかかれませんでしたので、大変貴重な映像だと思います。実は毎年、南極に入れる人数は国ごとに決まっていて、誰でも行けるわけではなく、南極で撮影ができるのかどうかも分からなかった。本撮影の前に夏の間だけ、風景だけを先に撮影してくることになったがこの撮影ですら海が猛烈に荒れて南極まで辿り着けず引き返したことがなんどもあった。ましてや南極に昭和基地設定の設営をやるのは危険すぎたこともあり、景色が南極に似ていた北極(カナダ領)で撮影された。脚本では犬のピュアに生きることを優先するため、人間のドラマ部分は犬を残して帰還したことにこだわる部分以外は全部カットされた。

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