ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男
『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(原題: Darkest Hour)は、私にとって歴史映画の中でも特に「言葉の力」と「人間の脆さ」が交錯する、胸に深く響く一本です。2017年(日本公開2018年)のジョー・ライト監督作で、ゲイリー・オールドマンがウィンストン・チャーチルを演じ、アカデミー主演男優賞を受賞したのも納得の圧巻の演技。1940年5月、ナチスドイツがヨーロッパを席巻し、フランス陥落が目前に迫る中、チャーチルが首相に就任してからわずか数週間を描いた、歴史の「最も暗い時」を凝縮した物語なんですよね。
チャーチルは就任直後、周囲から「年老いた酔っ払い」「無謀な戦争屋」と蔑まれ、和平派のハリファックス卿やチェンバレンら保守派から猛反発を受けながらも、ヒトラーとの妥協を拒否し続ける。地下鉄で一般市民と出会う有名なシーンは、チャーチルの決意が民衆の声によって固まる瞬間として、もう鳥肌が立つ。演説の「We shall fight on the beaches…」が流れるクライマックスは、何度観ても涙腺が緩む。言葉一つで国民を鼓舞し、歴史の流れを変える力強さが、映画全体を貫いてるんです。
ゲイリー・オールドマンの変身ぶりが神業。特殊メイク(辻一弘さんらがアカデミー賞受賞)と演技で、チャーチルの太った体型、しゃがれた声、シガーとウイスキーを離さない癖まで完璧に再現。最初は情けなく見えるけど、だんだんその「人間臭さ」が魅力に変わっていく。クリスティン・スコット・トーマス演じる妻クレメンタインの支えも温かく、リリー・ジェームズの秘書エリザベスとの関係が、チャーチルの孤独を優しく照らす。ジョー・ライトの演出も美しくて、暗い地下壕や霧のロンドン、地下鉄のシーンが緊張感を高めてる。
ストーリーは歴史的事実を基にしながら、少しドラマチックに脚色されてる部分(地下鉄シーンはフィクション寄り)があるけど、それが逆に「リーダーとは何か」を強く感じさせてくれる。ヒトラーの脅威に屈せず、戦うことを選んだ決断が、世界を救った瞬間として描かれる終わり方が、静かに胸を熱くするんですよね。
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投稿を表示ゲイリー・オールドマンの演技、最高ですね。