私の好きな映画

cine-ma
2025/10/16 12:06

2025年に観た映画(44) 「ワン・バトル・アフター・アナザー」

父と娘の物語というだけで観賞意欲が格段に上がりますが、予告編に触発された1本。暗証番号を思い出せないレオ様の右往左往振りとアメリカン・ニューシネマ的薫りに誘われました。

時の政府に武力でテロ行為を仕掛ける過激派組織「フレンチ75」の黒人女性リーダー、ペルフィディアと、彼女の恋人兼右腕の爆弾魔、ボブ(レオ様)。
対するは、ペルフィディアに異常な性的興奮を覚え、執着心を持ち続ける軍人、ロックジョー(ショーン・ペン)。そんな彼が仲間入りを目指す、白人至上主義のエリート集団「クリスマスの冒険者」。
自由の国アメリカに巣くう人種や越境移民といった問題を背景に、16年もの時を経て迫りくる権力と武力から一人娘を守るために立ち上がる、今ではヤク中&アル中気味なポンコツ親父の奮闘を描いた作品。

ポール・トーマス・アンダーソン監督初体験。パンフレットを読むと出演者が口を揃えて出演理由を「彼の作品だから」と語っている。そんな監督が描く世界は、現実よりもかなりテンション高めでいながら薄気味悪いリアリズムと、どこかユーモラスな娯楽性とが同居していました。追うものと追われるものとがスリリングに交錯する中、娘ウィラの空手教室の師でありこの土地の移民達のリーダーでもある“センセイ”役のベニチオ・デル・トロ(東京スカパラのリーダーに似てる)がいい味出してます。

当初の目的はカー・アクション映画を撮ることだったとパンフのインタビュー記事に記されていましたが、ちょっと他ではお目にかかれないというか、カー・アクションの概念がひっくり返るような演出にこの監督の才気の一端を感じました。162分もの長丁場ながら、それを感じさせない見応えがありました。

ただ終盤のご都合主義な展開が、私的には本作の満足度が上がらない大きな要因となりました。「え?そこで助けちゃう?」とか「あんた凄腕の殺し屋の筈だよね?」とか。急に単独行動も目立ち始める。なんの罪もないヒロインが人を殺める展開もアメリカ映画らしいなと。

この点例えばQ.タランティーノ作品も実に荒唐無稽でありながら、録画した「キル・ビル」や「ジャッキー・ブラウン」を観終わって消去できずにいるのに対し、本作においては後を引きそうにない。ポール・トーマス・アンダーソン監督の“美学”のようなものを感じ取れないというか、いま一つ共感できませんでした(ショーン・ペンさん演じる変態軍人も気色悪すぎなんですよね)。

レオ様主演作品だからですかね?女性の一人客もチラホラ。感想訊いてみたかったです。

№44
日付:2025/10/10
タイトル:ワン・バトル・アフター・アナザー | ONE BATTLE AFTER ANOTHER
監督・脚本:Paul Thomas Anderson
劇場名:シネプレックス平塚 screen2
パンフレット:あり(¥1,100)
評価:5.5

(c)2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.
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小振りで分厚いパンフレット(¥1,100)
  • イントロダクション
  • ストーリー
  • インタビュー レオナルド・ディカプリオ
  • インタビュー ショーン・ペン
  • インタビュー ベニチオ・デル・トロ(センセイ役)
  • インタビュー レジーナ・ホール(デアンドラ役)
  • インタビュー テヤナ・テイラー(ペルフィディア役)
  • インタビュー チェイス・インフィニティ(ウィラ役)
  • インタビュー ポール・トーマス・アンダーソン監督
  • PTAフィルモグラフィー 森直人(映画評論家)
  • たったひとつのアクション 月永理絵(ライター・編集者)
  • プロダクション・ノート(インタビュー:サラ・マーフィ[制作])
  • 映像と音楽のスリリングなコラボレーション 村尾泰郎(映画/音楽評論家)
  • ポール・トーマス・アンダーソンが導く、高画質フィルム撮影方式の再興 尾崎一男(映画評論家・映画史家)
  • トリビア
  • キャスト
  • スタッフ

 

 

 

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