チーム 名画座
2024/11/20 23:15
昭和・平成シネマ画報 「俺たちに明日はない」「イージー・ライダー」
『俺たちに明日はない』(1967)
不謹慎を承知の上で、実在した数あるアウトローたちの中にあって、際立つような魅力に満ちていたのがボニーとクライド。そのことを、この作品が助長したと言っても過言ではないでしょう。ラストでの2人による人生最後の″死のダンス″の衝撃。そして、その後に訪れる凍りつくような静寂の時間。自分の心臓の鼓動だけが、ひときわ大きく響いていました。監督はアーサー・ペン。大好きな監督でした。
『イージー・ライダー』(1969)
多くの反感と称賛とが入り乱れた歴史的傑作です。髪とヒゲを伸ばし、マリファナに酔い、大型バイクで駆け抜け、そして無惨に弾き飛ばされる青春。60年代の若者文化とその叫びが聞こえない、いや聞く耳持たない大人たち。作り物ではない若者のリアルな言葉と、心をさらけ出した強烈なサウンド。古き者たちは「汚くて安っぽいバイク映画」と吐き捨て、若者たちは「アメリカン・ニューシネマ」と雄叫びました。ザ・バンド、ステッペン・ウルフ、ジミ・ヘンドリクスらの暴れ者の音楽が激しく並走する映像は、見たこともない新しい風が吹き抜けたのです。ラスト、路傍の石となった若者たちは、やがてどんな花に生まれ変わるのだろう。
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