❤カトリーヌ・フロとフランス文化・芸術との関係!
◆カトリーヌ・フロの作品イメージ
カトリーヌ・フロは、2006年から2020年の間で、人気ピアニスト、料理人、オペラ歌手、バラの育種家という、専門的な技術を有する職業の役をこなせる女優さんということで興味深い存在であり、フランス文化や芸術に関連した世界と結びつく。
若い時期はエレガントな美人ピアニストを演じていたが、年次が高くなるにつれ、貫禄のある料理人や育種家を演じヒューマンな部分を強調した役をこなす。
丸顔のせいか、他の気取って見える女優とちがい、庶民的でフレンドリーな印象を与える。
「ローズメイカー 奇跡のバラ(La fine fleur)」(2020)
カトリーヌ・フロが社会復帰を目指す訳あり素人3人組と力を合わせて倒産寸前のバラ園の再建に奮闘する頑固なバラ育種家を演じる人情コメディ。監督は本作が長編2作目のピエール・ピノー。父が遺したフランス郊外の小さなバラ園を営むエヴは、バラ・コンクールでいくつもの賞を手にしてきた天才育種家。しかし近年は大企業に押されて、いよいよ倒産の危機に。そこで助手のヴェラは立て直しのためにと職業訓練所から格安で紹介された3人を雇い入れる。やって来たのは前科者のフレッド、定職に就けないサミール、異様に内気なナデージュといういずれも訳ありの3人。しかも園芸はまったくの素人で再建の力になるどころか頑固者のエヴを怒らせてばかりだった。
●キー・コンテンツ ・自然交配した、新人たちが育てたバラ ・バガテル公園のバラのコンテスト ・青い花の押し花と花言葉の本(フレッドにプレゼントしたもの) |


「偉大なるマルグリット(Marguerite)」 (2015)
グザヴィエ・ジャノリ監督がアメリカに実在した“音痴の歌姫”フローレンス・フォスター・ジェンキンスのエピソードにインスピレーションを得て撮り上げた、感動的な人生ドラマ。主演はカトリーヌ・フロ。1920年フランス。パリ郊外にあるマルグリット・デュモン男爵夫人の邸宅で、チャリティを目的としたサロン音楽会が開かれていた。いよいよ主役のマルグリット男爵夫人が登場し、威風堂々と歌い始める。彼女は破壊的なまでの音痴だったのだ。しかし、マルグリットに誰もそのことを指摘できる者はいなかった。やがて、初めて一般聴衆の前で歌う機会を得たマルグリット。これが彼女の歌心にさらなる火を付けてしまい、夫ジョルジュの心配をよそに、ついにパリでリサイタルを開くと決意、その実現に邁進していくマルグリットだった。こちらでは、カトリーヌ・フロがセザール賞の主演女優賞を受賞した。
●キー・コンテンツ ・夜の女王のアリア(モーツアルトの「魔笛」) ・清らかな女神よ(ベッリーニの「ノルマ」) ・花の二重唱(ドリーブの「ラクメ」) |
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「大統領の料理人(Les saveurs du palais)」(2012)
ミッテラン大統領のプライベート・シェフに大抜擢された女性シェフの知られざる真実の物語を描く感動ドラマ。極端な男社会だった大統領官邸の厨房で、いつしか大統領の心を捉えて官邸に新しい風を吹き込んでいくさまをハートウォーミングに綴る。主演はカトリーヌ・フロ。監督はクリスチャン・ヴァンサン。フランスの片田舎で小さなレストランを営む女性料理人のオルタンス・ラボリ。ある時、政府に呼び出されて向かった先は、フランス大統領官邸“エリゼ宮”。過剰な装飾を排した素朴な料理を望む大統領が、著名なシェフの推薦を受け、彼女を正式なプライベート・シェフに任命した。しかし官邸の厨房は男ばかりで、おまけに形式ばったしきたりや厳格な規律に縛られた堅苦しい職場だった。セザール賞の主演女優賞にノミネートされる。
●キー・コンテンツ ・マダム・デュバリー(ルイ15世の公妾) ・サントノレ(スイーツ) |
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「譜めくりの女(La tourneuse de pages)」(2006)
ピアニストへの夢を絶たれた少女が、その原因をつくった女性ピアニストへの復讐を果たすべく、“譜めくり”となって彼女に近づき、周到かつ非情な罠を張り巡らせていくさまを緊張感あふれるタッチで綴る心理サスペンス。出演はカトリーヌ・フロとデボラ・フランソワ他。監督はドゥニ・デルクール。共にセザール賞にノミネートされた。物静かな少女メラニーの夢はピアニストになること。その実現に、並々ならぬ情熱を注いできた彼女だったが、コンセルヴァトワールの入学試験で、審査員を務める人気ピアニストのアリアーヌの無神経な態度に心を乱され散々な結果に。これによって夢を諦めたメラニー。十数年後、美しく成長した彼女は、アリアーヌとの再会を果たす。やがてメラニーはそんな彼女の信頼を勝ち取り、演奏会での“譜めくり”役に抜擢される。
●キー・コンテンツ ・コンセルヴァトワール ・三重奏(ショスターコービッチ他) |

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投稿を表示stellaさんが挙げておられるこの4作品、すべて観ておりますので、ご紹介記事を懐かしく拝読しました。
>(カトリーヌ・フロは)専門的な技術を有する職業の役をこなせる女優さん...
まったく仰るとおりですね。
「アガサ・クリスティの奥さまは名探偵」(05年)、「アガサ・クリスティ 奥さまは名探偵~パディントン発4時50分~」(08年)では、プロ顔負けの奥さま探偵に扮してましたね。
つまり、彼女の主演作はたった6本しか観ておりません。
もし、オススメの他作品がありましたらご教授お願いします。