家にあるDVDで好きな映画『ナッシュビル』
元々、DVD( orVHS)といったソフトはあまり持ってない。
その一番の理由は近年の配信アプリの台頭というのが大きい。が、それだってここ5,6年の話だから少しはあるんじゃないか?と思われるが……
実はそれなりには持ってる。
男はつらいよシリーズ全作とか
1930〜50年代の映画の廉価版とか。
あとカール・テオドア・ドライヤーとかアラン・レネの『 去年マリエンバードで』とか。
それこそラース・フォン・トリアーの初期作品BOXとかエミール・クストリッツァの『 アンダーグラウンド』とかも当然のようにあるが、
悲しいことに管理が杜撰なので盤自体を室内で紛失してたり、
作品を見すぎて傷がついて画像飛びしているやつとかがあったり。
あと、何処にしまったか出て来ない。
ともかく、出て来たやつ(笑)で、
久しぶりにDVDで見たくなったのでロバート・アルトマン監督作品『ナッシュビル』を再見することにした。
1975年の作品で、
2012年にロバート・アルドリッチ監督の『カリフォルニア・ドールズ』と一緒にリバイバル上演された時に劇場で見て、
後に新宿の紀伊國屋書店の1階にあるDVD屋( 店名忘れた)でセルDVDを見つけて直ぐに買った。
作品は1974年のテネシー州ナッシュビルを舞台に、3月の第一火曜日に行われる大統領予備選挙に出馬するハル・フィリップ・ウォーカー候補のキャンペーン( イベント)までの5日間を描いている。と書くと、まるで政界を舞台にした社会派のような気もするが、その要素はあるにはあるも、メインはカントリー・ミュージックが盛んなテネシー州ナッシュビルのカントリーやフォークのミュージシャン周りの話で、
要はこうしたミュージシャンらと大統領予備選の政治家がコラボレーションをしていて、
政治家界隈、ミュージシャン界隈とその間にいる人々を群像的に描き、
それが1974年のアメリカの空気を存分に味わえる。
日本で言えば
北島三郎と藤圭子が北海道の旭川市で政治家絡みのコンサートをするような感じ……
ってサブちゃんは引退してるし、藤圭子は2013年に亡くなっているからその例えは微妙かもしれないけど、
ヘンリー・ギブソンが演じる大御所ミュージシャンが佇まいから日本で言えばサブちゃんか細川たかしみたいな感じでね。
そこに新進気鋭のフォークグループやゴスペルをやっている女性、あとイギリスからやって来たというマスコミがわちゃわちゃと絡みつつ、
終盤に意外な展開があったりする。
この作品の公開年の翌年に公開されたマーティン・スコセッシ監督作品『 タクシードライバー』もやはり政治家が絡む話だったが、
あちらは孤独な男性の話だが、
『ナッシュビル』は24人ものメインキャラをわちゃわちゃと動かす群像劇で、
そこがロバート・アルトマン監督らしくもある。
そのロバート・アルトマン監督の遺作に当たる『 今宵、フィッツジェラルド劇場で』( 2006年)はこの『ナッシュビル』の精神的な続編と考えるとまた感慨深くもある。