ストーリー

「アナスタシア」（1997年）のサウンドトラックは、ドン・ブルースとゲイリー・ゴールドマン監督による20世紀フォックス初のアニメ映画を彩る、リン・アーレンズとスティーヴン・フラハーティのブロードウェイ風楽曲とデイヴィッド・ニューマンのスコアによる魅力的なアルバム。メグ・ライアン演じる記憶喪失のアーニャとジョン・キューザック演じるディミトリの冒険を、「A Rumor in St. Petersburg」の軽快なリズムや「Journey to the Past」の希望に満ちたメロディが盛り上げる。「Once Upon a December」は、哀愁漂うロシア風のバラードで、アーニャの断片的な記憶とロマノフ家の悲劇を美しく表現し、特にダンスシーンで感動的。「In the Dark of the Night」は、ラスプーチン（クリストファー・ロイド）の不気味な執念をコミカルかつ力強く描く。アリーヤの「Journey to the Past」もエンディングでロマンティックな余韻を残す。ニューマンのスコアは、パリの社交界やロシアの情景を色鮮やかに演出。全体として、ミュージカルらしい華やかさとファンタジーの情感を融合した名盤で、単体でもディズニー作品に匹敵する完成度。映画のロマンスと冒険心を音で堪能できる一枚。