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追悼作品「影武者」

仲代達矢の逝去に伴い見ることになった「影武者」

©東宝 黒澤プロ

「トラ!トラ!トラ!」の降板、「どですかでん」の成績不振による自殺未遂まで追い詰められた黒澤明がソ連が手を差しのべた「デルス・ウザーラ」で世界にクロサワの名前を再度とどろかせました。次回作は?と質問に対して「リア王を題材にした映画を撮りたい」と監督は述べました。

そして監督したのが「影武者」でした。

当時の日本映画の力量では黒澤作品は支えることができず、海外配給権と引き換えに、黒澤チルドレンのF・コッポラ、J・ルーカスが出資で日の目を見ました。

ほとんどのキャストを公募によるオーディションを行いました。当時新聞広告にでかでかと掲載されれていたことを思い出しました。主役の信玄、その影武者はご存知の通り、勝新太郎でしたがトラブルで降板し、仲代達矢の代出となりました。このクロサワ復活劇にかつての黒澤組が再結集と思われました。カメラは中井朝一、宮川一夫はアドバイザーという立場で、音楽は早坂文雄亡き後、門弟yとして担当してきた佐藤勝と言われてましたが、池辺晋一郎となっていました。

 

配給収入は邦画ベストワン

国内で黒澤監督の復帰に注目されたわけです。多くの人は黒澤監督に期待したのは「七人の侍」、「用心棒」、「隠し砦の三悪人」のようなダイナミックな作品なのです。東宝はその盛り上げのため、黒澤作品のリバイバル上映をして盛り上げていたのでした。しかし期待したクライマックスの長篠の戦は一方的に武田騎馬群が全滅されていく描写でした。

黒澤監督はかつて国内を沸かした頃から、年齢を重ねていて描く対象が異なっていたことを見せられたのでした。

黒澤明を敬愛する淀川長治は感想を問われたとき、「そう簡単に言えるものではない。見れたことを感動すべきだ」と遠回しな発言に。武田家の滅びを描く作品で、戦国絵巻ではなく芸術作品でした。黒澤作品は筋を論理的にすすめ、前後関係を明確するがゆえ、その意図は読み取れるのでした。

今回、鑑賞にあたり仲代達矢の影武者ぶりを再見しました。しかしストーリーは弟の山崎努に比重が置かれていたように思いました。側室に親方のにせもだとばれて、武田家を追い出され、そのあ武田家に追いすがる姿は、本当に悲しげでご本人がこの役を引き受けざるを得ない境遇であったことを思うと、もっと評価されてもよかったかな、と思いました。

(当時の批評は勝新だったら~という評価が多かった・・・)

 

©東宝 黒澤プロ

再見して、カラー撮影されたその映像のつくりこみは、巨匠ならではものと感嘆した次第です。

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