春画先生 「与太郎」
春画先生 令和5年(2023)10月13日公開
【R15+】『春画先生』試写会に参加したコラムニストさん達の感想コラム集はこちらです。
春画とは?
春画(しゅんが)が誕生したとされているのは奈良〜平安時代にあった「偃息図(おそくず)男女の秘戯を描いた絵」から発生した。
江戸時代には「枕絵」や「笑い絵」と言われていたが近代には「春画」が一般的。男女の性交のみならず、男色や異生物との交わり、屍姦などさまざまな場面で描かれる。
江戸時代には、葛飾北斎や喜多川歌麿など人気浮世絵師も手がけ、富裕層向けの注文型肉筆一枚絵と、貸本屋など出版流通の発達を背景にした庶民層向けの版本の普及によって、男女や年齢の別なく一般に流通した。主に綴じ本の形式で流通した後者は「艶本」や「春本」とも呼ばれる。(アートスケープより引用)
春画と吉原
春画は性愛をとらえる。その多くが「吉原」遊女の街で日々の男女の目合ひ(まぐわい)などの場面が画れている。吉原は現在の浅草寺裏、台東区千束3、4丁目あたりの歓楽街。春画とともに江戸の裏文化として栄え当時は「遊女三千人御免の場所」と言われお上(江戸幕府)により、いわいる売春が認められていた。
春=性?
春は春画、春情、売春など「性」をイメージさせる。その理由として冬は気温が下がり、生命維持がとても困難な時期で中には冬眠をする生物もいる。その冬が過ぎることで冬眠した生物が活動を開始し、芽吹きなど繁殖の時期でもある。人間も性ホルモンの分泌が増える。桜前線と初体験の年齢は比例する説もある。
単なる卑猥・エロスではない!「春画の魅力」
春画は江戸時代のエロ本だろ~あえて予告編などの情報をいれないで鑑賞。春画のイメージが「単なるわいせつ」ではないと見方が180度変わった。劇中の春画先生のセリフ「描かずに紙の白さを活かす」なるほど!紙の白の質感が人の皮膚の柔らかさや艶を感じさせるのかと・・・春画に興味を持ちました。春画について学校で課外授業でも良いからやってほしかったと作品を観ていて真面目に思った。人物と背景の描写技術は次世代へ残しておかないと。
劇中に色々な春画が紹介されたが一番後ろの席だったので、やや眼鏡を斜めにしてスクリーンを見ていた。まるで浅草ロック座の※でべその先頭で食い入るようにストリッパー嬢を見つめる客のようで自分でも笑ってしまった。
※ストリップで客席に張り出した丸い舞台のこと。
春画先生を観て「観たくなった映画」
春画先生を観を終わって、春画に関する映画「北斎漫画」を思いつく。
ストーリー
浮世絵師・葛飾北斎と友人の戯作者・滝沢馬琴の交流を中心に、女性の魔力にとり憑かれていく北斎を幻想的に描いた作品。矢代静一の同名戯曲を名匠・新藤兼人監督が映画化。田中裕子が15歳から70歳までを演じ話題となった。葛飾北斎を緒形拳が演じる。春画先生にも登場する「蛸と海女」の秘話も。
作品の魅力 キャスティングの妙。
R15であるが爽やかさも感じるエロティシズムなコメディ作品。
内野聖陽 (芳賀一郎)主人公春画先生。変人で変態でもそこはかとない魅力。真性M気質。
北香那 (春野弓子)怒った顔が印象的な先生に恋する乙女。今作でブレイク必至。
柄本佑 (辻村俊介)どちらでもいける先生の弟子。ライトブルーのブリーフ姿は印象的。
白川和子 (本郷絹代)芳賀家の家政婦。凛としている。
安達祐実 (藤村一葉)魔性の塊。年齢不詳の魅力爆発。
キャスティングの妙として「ロマンポルノの女王」と言われた白川和子を起用した。
監督の日本のポルノ映画で金字塔を打ち立てた女王への尊敬の念を感じる。
「団地妻 昼下りの情事」ストーリー
“マスター・オブ・ロマンポルノ”西村昭五郎が監督、ロマンポルノ草創期を代表する女優・白川和子が主演したエロスドラマ。平凡な団地妻の転落人生を描く。ロマンポルノシリーズ第1弾を飾った記念碑的作品。“日活名作ロマンシリーズ”。R-18作品。
春画先生に感じた「与太郎」
今作を観て思ったことは故・立川談志師匠の「落語とは人間の業(ごう)の肯定」の言葉。
わかりやすく春画先生になぞれば、「変態はどこまでいっても変態」人なんて所詮そんなもの。ある意味落語的な話でもあった。春画先生はどうしようもない与太郎かもしれない。そんな先生は弓子の好奇心と母性本能をくずぐり全開にした。やっぱり変態だ。
作品公式ホームページはこちら
現在絶賛公開中です。
安達祐実、妖しい含み笑い!?放送禁止音だらけの春画鑑賞会/映画『春画先生』特別映像
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投稿を表示私もとても楽しく観ました。
日本だと、春って本当に性を表しますよね。凄くためになりましたー!今度どっかで言いたい笑
北香那ちゃんは、ミュージカルで出てきた子なので、いつかダンス(バレエやってました)や歌も披露して欲しいんですよね♡
今回は身体も張ってて女優魂感じました!
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投稿を表示変態はどこまでいっても変態!俺のこと言ってるのかと思いました(笑)
談志師匠の言葉はさすがだなって思いますね。
春画の違う側面を堪能できる作品なんですね。奥深さを感じました。北斎などの有名な方も描いてるとは知らなかった!
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投稿を表示内野さん主演と知らずにタイトルだけで観たくなった作品です。春画展に行きその耽美さに魅力されました。記事を読んでますます観たくなりました。古くから続く耽美の世界が映画に反映されてるのか楽しみです。いつも素敵なご紹介ありがとうございます
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