50年目の「俺たちの旅」
昭和の日本テレビ、日曜20時枠は青春ドラマでした。「俺たちの旅」はそれまでの学園ドラマから一新して、大学~社会人に設定変更されました。高校を舞台にした学園ドラマはユートピア的、ワンダーランドの世界だったのに対して、東京で暮らす非情さ、人生の切なさを描き、夢から醒めるかどうかという展開。一年間の放送後、10年ごとにスペシャルが放送され、今回50年目が映画として製作されたのでした。

オリジナルドラマは放送後に同じキャストで製作されたのには「スタートレック」があります。50年たっているので鬼籍に入ったキャストも多々いるのですが、主演の3人は健在かつ、メインライター鎌田敏夫による脚本で、「俺たちの旅」が再現されたのでした。
本作はオリジナルドラマを見ていないと、つらいかな?主人公たちは50年年を経た姿で、それぞれの道を歩んでいます。設定は田中健のみ、継続されていて、中村雅俊、秋野太作は設定は変更されていて、なんでそうなっているかの説明はありません。この三人のあいだでお節介のやきあいと、過去ストーリーのわだかまりなどが噴出していくのです。
中村雅俊の演出はケレン味なく、ドラマの世界観を踏襲しています。なんで?という半端なシーンや緊張感に欠ける欠点はあります。
脚本の鎌田敏夫はのにち「男女七人夏物語」を書きました。若手社会人の恋模様を3人の男と4人の女の中での揺れ動きを描いた群像劇でした。ここに登場する3人の設定は「俺たちの旅」の発展形と今、思うのでした。彼のダイアローグは激しいセリフの応酬です。
スクリーンはスタンダードサイズ、そのサイズにしたのは見ていくとわかってきます。
後半は過去作品の映像が挿入されます。オリジナルは16ミリフィルムで撮影されていて、昭和感があふれています。それ以上に伝わるのはカメラワークです。当時の演出家が映画出身者でフレームワークの質感がなんとも雰囲気のあるものになっています。デジタル撮影がなんとも平板に見えてしまいます。ドラマ終わる近くは中村雅俊の歌う主題歌をバックに主人公たちのコラージュ映像が流れテレビドラマの締め方のデフォルトになりました。背景となる井の頭公園、新宿歌舞伎町、神田川沿いは、関西に住む者からすると憧憬でありました。今見るとどうかな?

本作でもそれに準じた映像が挿入されています。映画として評価するのより、「あの頃」を呼ぶさます体感型映画です。ドラマ未体験な人が見たらどう感じるのでしょうか?
50年目の再会を見たその夜に、30年ぶりに同級生から電話がかかってきました。お互いの声を聞き、「変わっってねぇ~な~」