ストーリー

「スール その先は…愛」（原題：Sur、1988年）のサウンドトラックは、フェルナンド・E・ソラナス監督のアルゼンチン映画を彩るアストル・ピアソラによるタンゴ音楽が特徴。軍事独裁政権下のアルゼンチンを背景に、ミゲル・アンヘル・ソラ演じるフロレアルの出所後の内省と愛の物語を、ピアソラのバンドネオンと弦楽が織りなす情熱的で哀愁漂うメロディが演出。「Milonga del Anuncio」や「Vuelvo al Sur」は、喪失と再会の感情を強調し、映画の幻想的な回想シーンを深化。タンゴの巨匠ピアソラの音楽は、アルゼンチンの歴史と登場人物の情緒を強く反映。全体として、映画の重厚なテーマと詩的な雰囲気を音で体現した名盤で、単体でもタンゴの魅力が楽しめる。カンヌ監督賞受賞作の情感を愛するリスナーやタンゴファンに最適。