私の好きな映画

cine-ma
2025/07/29 18:08

2025年に観た映画(34) 「海がきこえる」

Filmarks(フィルマークス)主催のリバイバル上映プロジェクトにて、3週間限定で全国の映画館で上映された本作。予告編の映像を観て、心がざわつきました。

1993年に日テレで放映されたTV用作品との事で、ジブリ作品の系譜としては「紅の豚」の後で「平成狸合戦ぽんぽこ」の前。自分的にジブリ/宮崎作品と距離を置いていた時期なので、おそらく未見。
吉祥寺のホームで始まり、吉祥寺のホームで終わる本作を、胸一杯の思いで観賞する、至福の時間となりました。

放映後32年経って観て驚いたのが、本作が日本アニメ、ジブリアニメとして、今観返して最上・最良のDNAを体現した作品である点。何かが足らなかったり余計だったりとか、今どきの作品と比べて見劣りする部分とか、そういった要素が一切ない、ある意味“球体”のような完成度。クレジットには「スタジオジブリ若手制作集団」とありますが、大御所の名前がない本作においてこのクオリティ。日本アニメの美点が詰まったともいうべき“自然に/美しく/ちゃんと動いている”作品でした。ちゃんと描かれた映像は、どこを切り取っても色褪せない。いやそれどころか、細部にわたって輝きを増しているようにも思えた。

当時TVで観ていたら、この作品をどう受け止めていたのだろう。
きっとその時以来、本作を愛し続けている方が大勢いたからこそ、今回のリバイバルにもヒットにも結び付いている筈。本作の極めて高い普遍性と、自身のノスタルジーとが相まって、私にとっても珠玉の作品と化している今、この小作品を長年愛した人達や、そういう思いをすくい上げたBunkamuraル・シネマとFilmarksさんに唯々感謝するのでした。

№34
日付:2025/7/21
タイトル:海がきこえる
監督:望月智充
劇場名:小田原コロナシネマワールド SCREEN7
パンフレット:あり(¥1,100)
評価:10

 

パンフレット(¥1,100)

1993年に制作された宣伝用パンフレットを、可能な限り当時のまま2025年7月のリバイバル上映用に復刻(こういうの、ホント嬉しいなぁ)

  • 高知・夏・17歳
  • 海がきこえる 氷室冴子原作 望月智充監督作品
  • キャラクター
  • 地方を舞台に制服を着た男の子と女の子の話を書きたかった 氷室冴子(原作者)
  • 解説
  • From 編集部
  • インタビュー 望月智充(監督)
  • インタビュー 近藤勝也(作画監督)
  • インタビュー 高橋望(プロデューサー) 

 

 

 

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