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椿五十郎 バッジ画像
2024/04/21 20:53

映画じゃねぇよぉ!!でもGWに観てほしいっ! 『江戸川乱歩の 美女シリーズ』

みなさんこんにちは!

椿ですっ

 

もういくつ寝ると、GWっですねぇ。

皆さんは、連休、なにをなさいますか??

 

ご家族でご旅行?彼女・彼氏とおでかけ??
花粉もひと段落して、きっと暖かくなるであろう陽気のもと、ご旅行っていいですね。


かくいう椿、このGW中に、今さら嬉しくも無い「お誕生日」を迎えます。

でも、このかた、ずっとぼっちお誕生日だし、GWも仕事だし・・。

特段面白いことも無いわぁ・・😢
 

まぁ、GW中まるまる仕事、というわけでもないので、映画でも見ようかと思うのです。
そうしたら恰好の「今月のお題」。何を観ようか、参考にさせていただきます。

そして、椿がお勧めする、春の夜長に観ていただきたいシリーズ作品!

 

『江戸川乱歩の美女シリーズ』!!

 

 (C)松竹株式会社

1977年から1994年、約17年間、テレビ朝日系毎週土曜夜9時から放送されていた2時間ドラマ枠『土曜ワイド劇場』で放送されていた、超人気シリーズです。
この時代を過ごしていた皆さんなら、おなじみのテーマ曲とともに、ご存知の方もかなり多いのではないでしょうか?

 

名探偵 明智小五郎

 

皆さん、探偵というと誰を連想しますか?日本の探偵ものといえば、横溝正史の金田一耕助、内田康夫の浅見光彦、そして江戸川乱歩の明智小五郎あたりではないでしょうか?
ただ、実際のところ、金田一耕助や浅見光彦に比べると、明智小五郎は小説において、どちらかというと狂言回し的な立場で、事件解決に向け大活躍する、といった印象を持っていないのは、私だけでしょうか・・。

 

乱歩の小説でいうと、犯人の猟奇的な性格に大きくスポットがあてられたり、怪人二十面相の登場する少年探偵団ではむしろ主役は小林少年といった感じが強い。※飽くまで椿の感想です(笑)

金田一ものは古くから映像化され、片岡千恵蔵がスーツ姿でギャングの親分のような金田一を演じたものもあったりしますが、やはりイメージは、市川崑監督で石坂浩二演じる金田一がしっくりくるのではないでしょうか?不気味な市川監督の演出と、石坂浩二の飄々とした金田一は以後の金田一耕助のイメージに多大な影響を及ぼしたと思います。
またテレビの2時間ドラマでは、古谷一行による金田一が活躍。基本的なスタイルは変わりませんが、頼りなさげな石坂金田一に比べ、少し男性力の強い古谷金田一はまた別の魅力を放っていました。

 

では、皆さん、明智小五郎はどうでしょう?
明智も古くから映像作品には登場するのですが、そのほとんどが「少年探偵団」と怪人二十面相の対決を描いた作品ばかりで、明智が印象に残る作品というのは正直、ほとんどありません。無骨な藤田進(東宝怪獣映画でいつも防衛軍のお偉いさんを演じるようない名優)や、ハンサムな岡田英二、なかには梅宮辰夫の明智なんてのもありましたが、どれも代表作、というにはほど遠い・・。

 

そんな明智をメインに据えたのがこのテレビドラマ。そして、そこで明智を演じたのが、名優

 

天知 茂(あまち しげる:1931-1985)

(C)松竹株式会社

この時代を過ごした人にとって見れば、明智小五郎と言われて真っ先に思いつくのは天知茂さんでしょう。そして彼以降に明智小五郎を演じた役者さんは、天知さんの呪縛に縛られていたと思います。

1949年に俳優デビューしたものの長いこと芽が出ず、松竹、東宝と流れた後新東宝中川信夫監督に見染められ、名作『東海道四谷怪談』でニヒルで冷酷な民谷伊右衛門の迫真の演技で注目。中川監督のもと、『女吸血鬼』で日本初のドラキュラチックな吸血鬼や『地獄』で不幸の末地獄に堕ちた青年等、主役級の役を演じ、新東宝の看板俳優となります。
新東宝倒産後は大映や東映等で時代劇や任侠映画で主役級の悪役や重要な脇役として存在感を示します。特に主人公とのライバル関係にあるような人物を演じさせるとぴか一で勝新太郎初の座頭市映画『座頭市物語』で病気を患いながらも凄腕の侍 平手造酒や『眠狂四郎無頼剣』での敵役 愛染を演じ、高評価を得ました。テレビでも時代劇や『非情のライセンス』で主役を演じたり、主題歌をヒットさせたりもしました。

また、1968年には、三島由紀夫からのラブコールに答え、乱歩原作、三島脚本による伝説的な芝居『黒蜥蜴』での明智小五郎役として出演。黒蜥蜴役の美輪明宏との対決は大きな話題となりました。

 

そして、彼の最高の当たり役となったのが、この『江戸川乱歩の美女シリーズ』における明智小五郎でした。

シブい声と語り口、バタ臭さ、切れの良い演技、苦み走った表情・・・
小説の明智小五郎のイメージとはちょっと違いますが、天知茂のイメージがそのまま明智小五郎を乗っ取ってしまったような凄さを振りまいてくれたのです

 

私の子供の頃、土曜の夜と言えばザ・ドリフターズの『8時だよ!全員集合!!』を見るのが定番。そして夜9時からは大人の時間なので、子供はおとなしく寝るのが常でしたが、こと、『土曜ワイド劇場』でこの美女シリーズが放送される時は、特別に親に許可をもらって、テレビにくぎ付けになる、という少年時代を送っておりました。私だけではなく、学校の教室のお友達も同じような子供が沢山いたので、きっとこの「美女シリーズ」を知っている、その時子供だった人たちや、青年たちはそれだけ楽しみにしておられたのではないかと思います。

自身のプロダクションも立ち上げ、様々な作品もリリース。付き人には奥田瑛二や宅麻伸等がおり、プロダクションで面倒を見ていただけでなく、宅麻などはこの「美女シリーズ」にもよく出演していました。ただ、プロダクションを持つというのは非常に負担を強いるもので、スペインの著名な怪奇映画俳優、ポール・ナッチーと組んだホラー時代劇『狼男とサムライ』では膨大な赤字を出しましたがスペイン側からの資金提供が滞って、天知側がかぶるなど、順調とは言えない経営を強いられてもいました。
そういう負担が祟ったのか、役者として脂ののった54歳という若さでくも膜下出血により急逝。奇しくも、美女シリーズ第25話の撮影が終わった直後でした。つまり、彼の遺作も「美女シリーズ」となってしまったわけです。

 

彼の死後も『土曜ワイド劇場』の人気シリーズだった「美女シリーズ」は続きます。天知に代わり、北大路欣也、西郷輝彦が明智役を受け持ちましたが、明智は天知のイメージが、視聴者に強く残っており、結局二人の明智も短命に終わってしまいました。この後、シリーズは33本で終了。何年か後に稲垣吾郎の明智で1本作られたり、他局でも明智小五郎を扱った作品が登場しますが、どの作品も、天知茂の明智ほどの印象は残せず終わっています。

 

『美女シリーズ』の妖しい魅力

 

「美女シリーズ」が強い人気を誇ったのは、天知茂のキャラクター以外にも様々な要因があります。


① 監督:井上梅次

▲井上梅次
『日本映画作家論』1958年7月20日。発行所:中央公論社

 本シリーズ第1作から第19作までを監督したのは、日本の各映画会社をまたいで数々のアクション映画のメガフォンをとった 井上梅次 が担当。特に日活時代の石原裕次郎や小林旭が主演したアクション映画の数々に定評があります。石原裕次郎の『嵐を呼ぶ男』は代表作で、後年、近藤真彦主演でリメイクされた際もメガフォンをとっています。
 その数々の作品を監督した経験を活かし、常に本シリーズは見せ場を意識した、探偵ミステリーものというより、アクション映画の要素をふんだんに盛り込んだ活劇としての面白さが際立ちます。

 井上式演出とでもいえる、登場人物をかっこよく見せるためのカットや陰影の使い方、音楽やエンドロールの工夫など、今見ると、古臭さも感じる「カッコつけ」感、というか、見栄の切り方を心得ていて、天知のバタ臭さとともに、それが十二分に映える感じになっています。

 

②優秀な脚本

 本シリーズの脚本を担当したのは、監督の井上梅次だけでなく、テレビドラマの『水戸黄門』などで、沢山の代表作のある宮川一郎、『澪つくし』『独眼竜政宗』といったドラマの脚本で一世を風靡したジェームズ三木などが参加しています。ジェームズは後年、ここではちょっと書けないようなセクハラ行為?をしたことで晩節を汚しましたが、その行為の経験が、変な話、本シリーズの脚本に行かされてしまっている感も否めません・・。💦
江戸川乱歩の原作を、現代を舞台にした形でうまく持ちこみ、大胆に原作をアレンジ。明智の出ない乱歩の作品なども組み合わせて、1本の娯楽作品を作る手腕は脚本によるところも非常に大きいです。

 

③華麗なる美女たちの競演

(C)松竹株式会社
(C)松竹株式会社
(C)松竹株式会社

『江戸川乱歩の美女シリーズ』と銘打っているわけですから、登場人物には、必ず美女が登場します。物語の主役となるのは当時、華のあった素晴らしく、美しい女優さんばかり。
ざっと挙げると 三ツ矢歌子、夏樹陽子、松原智恵子、夏純子、江波杏子、由美かおる、金沢碧、小川真由美、宇都宮雅代、結城しのぶ、古手川祐子、岡田奈々、片平なぎさ、叶和貴子、萩尾みどり、松原千明、高田美和、萬田久子、早乙女愛、佳那晃子、岡江久美子  と、いった具合。
また、メイン役の女優ではない準主役級の女優さんも豪華で 高橋洋子、かたせ梨乃、朝加真由美、ジュディ・オング、泉じゅん、結城美栄子、山本リンダ、奈美悦子、永島暎子、赤座美代子、生田悦子、中島ゆたか、白都真理、片桐夕子、宮下順子、水野久美、蜷川有紀、野川由美子、美保純、鰐淵晴子と、ものすごい名前が並びます。
これらの女優さんたちが、時に艶っぽく、時に妖しく、時に初々しく、そしてなにより美しい演技を見せてくれます。

 

④アクション・チープ・グロ・はだか・・・そして・・・

 

コンプライアンスが厳しく問われる現代では、絶対に作ることのできないドラマ・・。昭和時代は当たり前のように流れていたのが、見出しのような要素です。とにかく、視聴者を楽しませるために、あの手この手を駆使して2時間ドラマに収めた、井上梅次他、製作者たちの意気込みは凄いものがあります。もう作り方が、テレビドラマの枠に収まっておらず、「もはや映画」である、といっても過言ではない、娯楽要素を沢山詰め込むだけでなく、適材適所にそれらの要素を配置したことも、娯楽映画を作り続けてきたスタッフたちの経験が非常に生かされています。
 

犯人たちと明智の追いつ追われつの攻防はまさにアクション活劇で、カーチェイスや銃撃戦なども見ることができます。そして、追い詰められ、明智、絶体絶命のピンチ!!!

また、本作は手作り感満載のチープな映像が多かったり、薬品で焼けただれた顔や、崖に飛び降りてグチャグチャになった顔、マネキンに埋め込まれた腐乱死体など、子供が見たらトラウマになるようなシーンが非常に多いです。
今見ると、本当に笑ってしまうくらいチープな感じもするのですが、このチープさが逆にフィルム映像の質感と相まって、非常に不気味に映ります。犯人は異常な性格の持ち主だったり、強い怨念を抱いて復讐を企てていたりといった人間が多いため、これらの映像処理は極めて効果的で、技術の進んだ今の時代で見ても、その何とも言えない異様な空気感にはゾクッとさせられます。

 

まぁ、そして、当時の2時間ドラマでは「お約束」のヌードシーン。特に、本シリーズでは、必ず入浴中の女性が殺される、というシーンが挿入されるので、「美女シリーズ」=ハダカ、ととられることがあります。こう見ると、確かに入浴シーン、裸の場面は多いものの、「絡み」のシーンが多いとは言えず、今見ると、そこまで淫乱不適切な作品かというと、そうでもありません。ただ、とてもエロティックに感じるのは、女優さんの演技で、相手を篭絡させたりする場面が非常に艶っぽかったりするからだったりします。

 

そしてそして、見出しの「・・・」ですが、

 

明智小五郎、このシリーズのほぼ、ほとんどの作品で、明智の命を脅かす危機に陥れられます。どう考えても、生きていられることなど考えられない状況。そして、明智は死亡と世間に発表され、部下は哀しみ、犯人はほくそ笑む。
 

ところがどっこい!!

 

ここで『水戸黄門』の印籠と同じくらい、本シリーズではおなじみのシーンが登場!!
明智が再び現れるわけです。
どんな登場の仕方をするのか!?
その辺は是非、本編をご覧いただきたいと思いますっ。

(C)松竹株式会社

⑤作品の世界観を見事具現化した音楽

 

本シリーズでは、音楽が非常に特徴的で特に「明智小五郎のテーマ」として有名なテーマ曲は非常に痺れる音楽です。いかにも昭和なバンドによる音楽なのですが、このテーマ曲や、その他で劇伴で使われる曲の数々は作品を盛り上げ、不気味さを際立たせ、妖艶さを歌い上げます。
音楽を作曲したのは鏑木 創(かぶらぎ はじめ)

 

映画、テレビドラマ、歌謡曲と様々な媒体に音楽を提供している作曲家で、特にアクションものや妖しげな雰囲気の作品等に定評があります。勝新太郎の『悪名』シリーズ、『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』『ある殺し屋』『空手バカ一代』『東京湾炎上』等が代表作。日活ロマンポルノでも何曲か提供されており、いくつかはサントラも販売されています。
歌謡曲では石原裕次郎のデュエット曲「銀座の恋の物語」が有名ですね。
そんな有名な作品につけた曲のなかでも、この「美女シリーズ」の音楽は彼の代表作として名高いです。本編をご覧いただければ、彼の曲に心惹かれること間違いありません。

 

⑥魅力的な定番キャラ

▲左奥 文代、右手前 浪越警部 (C)松竹株式会社

助手・文代:五十嵐めぐみ

明智探偵事務所に勤める優秀で若い女性の助手。ほのかに明智に恋心を抱いているので、美女に弱い明智がデレデレしているとキツい皮肉を言ったりします。また、明智の健康を気遣い、ヘビースモーカーの明智の煙草を取り上げたり・・。彼女と明智のやりとりが面白いだけでなく、非常にアクティブで、重要な時に明智を助けたりもできます。
文代を演じた五十嵐めぐみは19作目まで出演。井上梅次らとともに刷新され、高見知佳、藤吉久美子に役者は変わりましたが、口うるさいだけの女性にキャラ変されてしまったのが残念です。
五十嵐さんはすらっとしたスタイルでボーイッシュな魅力にも溢れていて、アクションシーンなどでも重要です。

小説での文代は、明智の妻。

浪越警部:荒井 注

自称、明智君の親友こと、警視庁の警部。常に明智事務所に入り浸り、ちょっと困難な事件にぶち当たると、明智に協力を求める。その割に早とちりなどして、明智の推理に迷惑をかけることも度々。演じるのは元ザ・ドリフターズの一員である、荒井注。名コメディアンにして名優でしたが、この浪越警部役は彼の当たり役で、第2作以降、25作まで天知茂の明智とあゆみを共にしてきました。彼の芝居のおかげで、作品にメリハリがつき、作品の面白さがより増したと思います。

       

『美女シリーズ』とりあえず観るならな7選!!

 

 

①『浴室の美女/『魔術師』より』

美女シリーズ第2作目。
裕福な資産家玉村家を狙う謎の魔術師とその一団。魔術師は玉村家の財産を奪うだけでなく、惨忍な方法で一族皆殺しを謀る。そこへ立ちふさがる明智。しかし、魔術師の恐るべき策略により危機が・・。数々の危機をかいくぐる明智だが、魔術師の仕掛けた二重三重の罠が・・・。

魔術師が狙う本当の目的とは?そして、勝敗は?明智と魔術師の攻防が最高に面白い。
夏樹陽子の美しさと、魔術師を演じる西村 晃の執念深い悪役ぶりがたまりません。

 

②『黒水仙の美女/『暗黒星』より』

気色悪い彫刻をつくる彫刻家 伊志田。その莫大な財産をめぐって、家族までもがそれを狙うなか、次々と起こる連続殺人。殺人を行うのは、神出鬼没、空中を飛び交う謎の魔人。果たして犯人は?意外な犯人とその哀しい生い立ちに明智が迫る。
犯人捜しの楽しみ、江波杏子、ジュディ・オング、泉じゅんといった美女たちの競演も楽しい作品です。シリーズ第5作目

 

③『妖精の美女/『黄金仮面』より』

怪盗ルパンの再来と言われる「黄金仮面」から、石油王のもとへ家宝を盗むと脅迫状が届く。それを阻止するために明智が挑む。世界中の財宝の盗難を成功させてきた黄金仮面と息詰まる対決!!
後年、ドラマ『水戸黄門』で、格さん、お銀で共演を果たす由美かおると伊吹吾郎の競演が見もののアクション作品。黄金仮面は怪人二十面相に次ぐ人気キャラで、本シリーズでも11作目に再び登場します。シリーズ6作目

 

④『悪魔のような美女/『黒蜥蜴』より』

女傑怪盗「黒蜥蜴」。彼女の目的は、美しい身体をもつ人間。その人間の体を剥製にして美術品として愛でるという危険極まりない人物。しかし、彼女の前に明智が立ちはだかる。一進一退の攻防を展開する明智と黒蜥蜴。いつしか二人の間には好敵手以上の感情が生まれる・・。
三島由紀夫が脚色し有名になった舞台『黒蜥蜴』でも明智を演じた天知茂の演技が素晴らしい。また、黒蜥蜴を演じる名女優、小川真由美の悪辣ぶりも素晴らしく見ごたえのある作品です。シリーズ8作目。

 

⑤『魅せられた美女/『十字路』より』

美しいアイドルの晴美の所属する芸能プロ社長、伊勢が彼女によこしまな感情を抱いてしまい、次々人を殺めて、その罪を晴美に着せ、欲望を満たそうとする。晴美の兄が自分に瓜二つということから、事件にかかわる明智。伊勢対明智の知恵比べが火ぶたを切る。
始めから犯人が分かっていて、推理合戦をしてゆく展開は、本シリーズでは非常に珍しく、『刑事コロンボ』のようなスリリングな物語展開が楽しめます。天知対、伊勢役の持田京介の芝居合戦も面白いのと、天知茂の一人二役もみものです。シリーズ13作目。

 

⑥『白い乳房の美女/『地獄の道化師』より』

バレリーナを目指す姉妹のもとへ不気味なピエロの人形が届く。その人形は何かの脅迫か、以降姉妹の周辺で不気味な事件が次々おき、そこには謎の道化師の姿が・・。奇々怪々な事件に明智が挑む。事件にかかわるうち、悲しい人間の性と執念が暴かれてゆく・・。
人間ドラマとしてもとても秀逸なエピソードです。シリーズ16作目

 

⑦『天国と地獄の美女/『パノラマ島奇譚』より』

売れない美術家、人見が妄想する「パノラマ島」建設を叶えるため、自分と瓜二つの資産家 菰田を殺害し彼に成りすまし、新興宗教の教祖とともに若い女性を誘拐して天国と地獄が共存するパノラマ島を作る。そこへ立ちはだかる明智。果たして彼らの野望を打ち砕くことができるのか!
放送当時、お正月特番として2部構成で放送された、スケールの大きな作品です。眼玉を突き刺す、斧で頭をカチ割る、人体の花火等、グロシーンもふんだんにあるなど、娯楽冒険活劇としての面白さが堪能できます。人見と菰田を演じる伊東四朗の一人二役が素晴らしいのと、当時大変な美女として話題だった叶和貴子さんがヌードを披露したことでも話題に。シリーズ17作目。

 

 

以上、椿がお勧めしたのは19作目までの井上梅次演出作品となりました。
残り6作の天知茂版美女シリーズも非常に素晴らしいのですが、アクション要素や猟奇的要素が少なくなったのと、ちょっとエロ度が増した感じがして、作品的には19作までが見ものかなと思いまして、ご紹介しました。

 

もし、本シリーズをいくつかご覧いただいて、興味を持っていただけましたら、20~25作、さらには、北大路欣也版、西郷輝彦版もごらんいただけたらと思います。

 

鑑賞はTSUTAYA DISCASでのレンタル、配信ではUーNEXT、BSではBS松竹でご覧いただけます。

例によって、またまた長ーくなってしまいました・・。
連休中にでも、お暇なときにゆっくり読んでいただけたらなぁ
そう思っておりますっ。

ここまでお付き合いいただいた皆様、ありがとうございますっ

 

 

 

 

 

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2 件の返信 (新着順)
そぜシネマ
2024/05/08 08:33

椿さんのコラム観ていると顔だけサブリミナル効果も合間って天知さんが大好きになりました😍。


椿五十郎 バッジ画像
2024/05/12 00:10

そぜさん!
コメントありがとうございます!
確かに言われてみたら、天知さんの濃ゆ~い顔のサブリミナルになってましたね(笑)
これでそぜさんも天知フリークですねっ(笑)

奈々瀬詩織
2024/04/25 18:11

凄く懐かしいです!「美女シリーズ」天知茂さんの明智小五郎役が最高だと思っています。
美女がふわっと倒れるシーンが好きでした。
レンタルで今でも見れるのは、ホント嬉しいです!
椿さんの作品への愛が伝わってきました!!


椿五十郎 バッジ画像
2024/04/26 18:49

菜々瀬さん!
コメントありがとうございますっ!長々とした駄文で、ニッチな作品の紹介なのにお読みいただきありがとうございますっ!
菜々瀬さんも明智=天知世代ですかっ?美女がふわっと倒れるシーン!なんか分かりますっ
この名作を共有できる方がいて嬉しいですっ。
という自分も菜々瀬さんの『犬神家の一読』の記事に刺激されて明智にした感じです(笑)
いつまでも印象に残る作品ってホント素晴らしいですよね。
地上波ではもう見ることが叶わないでしょうから、レンタルの存在は大きいですね。TSUTAYADiscusには天知シリーズは全作あるようですので、もし久しぶり見たい、と思われたときは是非っ

奈々瀬詩織
2024/04/27 00:48

私も明智=天知世代です!!
で、助手が五十嵐めぐみさんが良かったっていうのも、凄い共感しました!
良い作品なのに、もう地上派では見れないのが残念です。
ですが、仰るようにTSUTAYA のレンタルにあるようなので、当時を思い出しながら、今度ゆっくり見たいと思います!!