DISCASレビュー

メリル・ストリープとロバート・レッドフォードが主演を務める、壮大なラブロマンス。アフリカの雄大な自然を背景に、ふたりの心の交差と別れが静かに描かれていく。

物語は、デンマーク出身の作家アイザック・ディネーセン（本名カレン・ブリクセン）の自伝をもとにしており、彼女がケニアで過ごした年月と、そこで出会った自由な精神を持つ男性との関係を軸に展開する。植民地時代のアフリカを舞台に、文化の違いや孤独、そして愛の儚さが繊細に描かれている。

メリル・ストリープの気品ある演技と、ロバート・レッドフォードの静かな存在感が、物語に深みを与えている。広大なサバンナの風景とともに、ふたりの関係がゆっくりと変化していく様子は、まるで一篇の詩のよう。

自然と人間、愛と喪失が交錯するこの作品は、静かでありながら心に深く残る名作である。