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カッツ
2025/12/26 16:14

ひまわり

1970年/監督:ヴィットリオ・デ・シーカ

ヴィットリオ・デ・シーカ監督、ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニ主演の『ひまわり』は、戦争によって引き裂かれた男女の愛を描いた名作ドラマである。イタリアから旧ソ連へ出征した夫が帰らないまま、妻は彼を探すため広大なソ連の地をさまよい歩く。しかし、そこで彼女が目にしたのは、別の女性と家庭を築き、子どもまでいる夫の姿だった。

若い頃に観たときは、あまりにも“濃い”物語に入り込めなかったが、今あらためて観ると、当時とはまったく違う感情が湧き上がり、深い感動を覚える。人生経験を重ねたからこそ、戦争が奪った時間の重さや、再会の残酷さが胸に迫るのだろう。

ウクライナのひまわり畑を映し出すシーンはあまりにも有名で、映画史に残る美しさを持つ。また、ヘンリー・マンシーニによるテーマ音楽も哀切で、物語の余韻をさらに深めている。

戦前のソフィア・ローレンは若くグラマラスで輝いているが、戦後、夫を探してソ連へ向かう彼女はすっかり老け込み、まるで別人のように見える。その変化こそが、この物語の哀しみを象徴しているように思う。戦争が奪ったのは夫婦の時間だけではなく、彼女自身の青春や人生そのものだったのだと痛感させられる。

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