1970年の「日本万国博覧会」を映画で感じさせる『公式長編記録映画 日本万国博』

1970年の「日本万国博覧会」を映画で感じさせる『公式長編記録映画 日本万国博』
4月13日(日)から開幕した「2025年日本国際博覧会」。「行列がヤバい」とか「2億円のトイレが壊れた」だの「ブルーインパルスが中止になった」だの、案の定なマイナスな話題が目に入りますね。
前回の同クラスの国際博覧会は20年前に愛知県で開催された「愛・地球博」があったが、同じ大阪開催では55年前に開催された「日本万国博覧会」以来となる日本開催の国際博覧会。

この「Osaka 1970」とも言われた三波春夫によるテーマ曲「世界の国からこんにちは」や芸術家・岡本太郎氏が制作した太陽の塔、「動く歩道」や「月の石」の展示など、1970年代の日本のハイライトではほぼ触れることになるぐらいのインパクトを残した。
そして残しているのは1970年代を取り上げるニュース映像だけではない。
なんと、公式のドキュメンタリー映画
『公式長編記録映画 日本万国博』がある!
総監督は谷口千吉、他にも山岸達児、亀田利喜夫、下坂利春が監督を務める。
それで早速見てみた。
2時間53分で、途中インターミッション休憩あり。1970年の万博の模様を開会式から外観、各国・企業のパビリオン、催し物、あと来場者やスタッフの様子を記録した記録映画。大きいスクリーンで見たのであれば少しは万博の気分が味わえる。そんなドキュメンタリー。
作りが全体的に市川崑監督のドキュメンタリー映画『東京オリンピック』に似た雰囲気だなっとおもったら、製作総指揮が田口助太郎だった。似ている、いや、本作は石坂浩二とフジテレビの女子アナウンサーの竹下典子がナレーターを交互にしていたのでいくらか見やすかったはずだし、昭和天皇や他皇室関係者の来場の様子など、それなりのアクセントはあるけど、『東京オリンピック』よりもさらに記録映画感がある。
その中で、入り口の当日券売り場や入場口の様子、迷子センターの様子、あと入場待ちの長蛇の列などあらゆる形で内側を伝えているが、全体的にそれなりに楽しそうである。各国パビリオンの待ち時間こそは長いが象に乗れたり、月の石が見れたり、珍しい国の方々と触れ合ったり。あとここで初お目見えの「動く歩道」やクレーンゲームみたいなゲームなど、現在普通にある物に触れたり。それと、遊園地的な乗り物アトラクションも当然のようにある。
考えてみると、当時は後楽園遊園地や富士急ハイランド、豊島園や浅草花やしき、よみうりランドなどはあったが、
東京ディズニーランドもシーも、あとUSJといった超人気アミューズメントパークはなかった。さらにもっと言えば、プロスポーツらしいプロスポーツもプロ野球と大相撲しかないし、何よりファミコンどころかパソコンが全くない世界。
娯楽といえばあとは
映画かご家庭のテレビしかない。
そのテレビといえば、その年の年末に行われた「第21回NHK紅白歌合戦」。視聴率、なんと、
77%!!
しかしながら、世の中としては
3月31日によど号ハイジャック事件があったり、あとプロ野球も前年秋に発覚した八百長疑惑から違法賭博等のスキャンダル続きの黒い霧事件、世界的にはビートルズ解散、あとスパイダーズやテンプターズ解散によるGSブームの終焉、三島由紀夫の自殺など、
比較的暗い時代だったように思える。
つまり、そんな中で行なわれた超明るい話題の「日本万国博覧会」。
来場者数は
6421万8770人。
まぁ、娯楽が少ない中ではそうなるよね。そういった意味では1970年の万博の様子を忠実に記録したドキュメンタリー映画。しかしながら、太陽の塔での立て籠もったアイジャック事件や動く歩道ソ連館前出入口付近での転倒事故や3月29日に起こった40名以上の集団食中毒など、こうしたトラブルに関しては一切シャットアウトしてしまったのは残念。それでもアウトラインだけなら捕らえられる。そんな感じ。
ただ、本作を見ることで、また昭和45年の「日本万国博覧会」やこの昭和45年のことを考えることで現在開催されている「2025年日本国際博覧会」の何かが見えてくる。そんな気がしてきた。さらには、そこから昭和45年(1970年)の映画を見ることで、
今の日本映画もまた違ったように見えてくるかも。
■公式長編記録映画 日本万国博
総監督・脚本:谷口千吉/監督:山岸達児、亀田利喜夫、下坂利春/脚本・製作総指揮:田口助太郎/脚本・編集:伊勢長之助/ナレーター:石坂浩二、竹下典子
ということで、唐突ながら、この大枠の「映画×社会」とその中の「映画からみた日本万国博覧会」及び「映画で見る・感じる1970年」をやっていきたいかと。
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投稿を表示大阪万博には行けそうなはないので、
観て熱気を感じたいと思いました!
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投稿を表示70年万博の映画があったのはだいぶんのちに知りました。
NHKで放送されましたね。
その後に札幌オリンピックもあって、この公式映画も上映されました。
あの頃は日本じゅうがハッピーで、
万博に随分、行きました。
外人のおばちゃんから、飴をもらいました。
この千里の万博会場に当時の記録があって、いろんなプレイベントが開催されたことも知りました。
海外のオケ来日や芸術家たちが先進的な作品を発表など、
イノベーションだけでなく、内外の発表の場でもあったようです。
今回の万博でも、各国の芸術家の最頻発表の場が併設されていると聞いております。
70年万博開催で会場になる丘陵地帯が買収され、近隣に住んでたかしまし娘・次女の照枝ちゃんのお家が紹介されてました。
わが関西では批判と不安で実態不明の博覧会ですが、
遠くから来る人には、あんまりないようです。
わたしも5月1日にイベントがあり、行くことになっています。
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投稿を表示こんなドキュメンタリーがあるんですね👀 マニアックではありますが、タイムリーなご紹介ですね✨
1970年は私まだ生まれてないのですが、この年を含めてこのあたりって激動の時代で、映画の世界もそんな気がします!