カッツ
2025/12/06 13:08
愛人/ラマン
ずっと観たかった映画だったが、近くのTSUTAYAには置いておらず、なかなか借りられなかった。ようやくDISCASで借りて観ることができた。
まず冒頭のベトナムの田園風景が美しい。観てよかったと思った。さらに主人公の少女が美しく、相手の中国人男性が弱弱しく私の想像のイメージにピッタリであった。
舞台は1920年代のフランス植民地時代のベトナム。田園や街並みの風景が非常に美しく、まるで絵画のようにスクリーンに広がる。主人公の少女はフランス人という設定だが、父親はスペイン系イギリス人、母親はベトナム人と中国人のハーフで、彼女の身体には東洋と西洋の血が混ざっている。
撮影当時、主演のジェーン・マーチはまだ10代。物語にはかなり際どいシーンも含まれており、今の基準ではコンプライアンスに抵触する可能性もあるだろう。
作品には、フランス人による中国人への偏見や差別が色濃く描かれている。少女は「中国人は嫌い」と口にしながらも、生活のためにその男性に身を委ねる。家族もまた彼を蔑み、存在を無視する。しかし、少女は次第にその男性を受け入れ、心を開き、やがて深く愛するようになる。
やがて少女はフランスへ帰国し、作家となる。おそらくこの物語は、彼女自身の自伝的な作品なのだろう。ラストシーン、彼女の仕事場に彼から電話がかかってくる場面は、静かで切なく、胸に沁みた。
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