『サブスタンス』~これぞB級ホラー!狂喜乱舞阿鼻叫喚!!
皆さんこんにちは
椿です
さて、皆さんは健康ですか?
私は、もう、若いころの不摂生が祟りまくりまして(そして今でも懲りずに不摂生してるという。。)いろんなところにガタがきて、とても健康などと胸張ることはできません・・。さまざまにいろんな薬のお世話にならないと・・。
しかし、黄緑の蛍光色の液体のような薬にだけは手を出したくありませんねぇ・・(;^_^A

そんなわけで、今SNSで熱い話題をかっさらっているあの映画、そう、観てきましたよ!
『サブスタンス』

【作品データ】
◆本邦公開日 2025年5月16日(配給 ギャガ・コミュニケーションズ)
◆上映時間 142分
◆レイティング R15+
◆監督・脚本 コラリー・ファルジャ
◆出演 デミ・ムーア、マーガレット・クアリー、デニス・クエイド
【あらすじ(公式より転載)】
元トップ人気女優エリザベスは、50歳を超え、容姿の衰えと、それによる仕事の減少から、ある新しい再生医療<サブスタンス>に手を出した。
接種するや、エリザベスの背を破り脱皮するかの如く現れたのは若く美しい、“エリザベス”の上位互換“スー”。抜群のルックスと、エリザベスの経験を持つ新たなスターの登場に色めき立つテレビ業界。スーは一足飛びに、スターダムへと駆け上がる。
一つの精神をシェアする存在であるエリザベスとスーは、それぞれの生命とコンディションを維持するために、一週毎に入れ替わらなければならないのだが、スーがタイムシェアリングのルールを破りはじめ―。
「そこからどうなるかは・・・
想像しても無駄💛
一生忘れられない最高の
映画体験をお楽しみに。」
こんなホラーを待っていた!

劇場公開作がたった1作のコラリー・ファルジャが脚本、監督した作品がアカデミー賞をはじめ、カンヌやゴールデングローブといった世界の映画賞を席巻し話題となりました本作。
映画好きの皆さんは、きっと「どんなにすごい名作か!?」と、浮足し出ったかと思います。しかも、ゴールデングローブ賞を受賞し、ほかの映画祭でもその演技が高評価でノミネートされた主演女優が、あの、一世を風靡したデミ・ムーアとなれば、ものすごく話題性の高い作品であるのは間違いありません!
私も数か月前の某映画イベントで、ある方が先に本作を観て、プレゼンされた話を聞いて否が応でも期待値が爆上がりし、日本での上映を今か今かと、首を長~くして待ちわびておりましたっ
本作がどれほど、映画好き界隈の注目を帯びていたかと言えば、TOHOシネマズ等大手のシネコンや、他映画館でも1日3回以上劇場で掛かり、正式な上映日である5月16日の前日に各地で先行上映が行われるといった具合!
もう一本、同日に上映されることになっていた、私がめちゃんこ楽しみにしていたホラー映画『ノスフェラトゥ』の劇場数や公演回数の少なさと比べると、その期待値と配給会社さんの意気込みが伝わってきます。
美容業界、ルッキズム、老いてもなお美を追求す女性の物語・・
そして、ポップなビジュアルの広告媒体・・
明らかに「女性層」に訴える作りとなっている・・

あれっ??某映画イベントで聞いたプレゼンでは、ものすごいゴアなホラーだと聞いたような気がするんだけど・・
ありゃ・・・、こりゃ、また
ホラー映画の皮を被ったアート映画の類(たぐい)かぁ・・・
と、期待半分・不安半分で劇場に臨みました
「かわいいが暴走して、阿鼻叫喚」
この、暴走して、阿鼻叫喚に期待して・・・
近年稀にみる怪作!?に賛否両論!!

いやぁ、誰やねん!?
こんなアフォ映画にアカデミーだカンヌだゴールデングローブだと!?
実に、実にアフォ!!
いやもう、これ
社会派の皮を被ったB級ホラー!!
に他ならない!
このフッ切れたアフォさと言ったら!!
いや、この「アフォ」は激烈最上級の賞賛なりよ!!
多分おそらくきっと、今まで「B級ホラー」と呼ばれていた作品を低俗とか、毛嫌いしていた一定層には、驚きをもって見られたのではないでしょうか。
そしてそういった作品がこれまで乗ってこなかった「賞レース」に食い込み、映画界全体に大きな楔を打ち込んだ作品として、映画史に語り継がれてゆく作品となるのではないか?そう思います。
この鑑賞後の驚きと爽快感!
本作に「社会派」作品を期待した層からしたら、明らかに本作は「後半」の評価が非常に低い。今、大変に問題になっている、卑しさはびこるエンタメ業界のセクハラやルッキズム問題などを割りに直球で描いた前半の評価は社会問題を、松竹梅でいったら、竹くらいのホラー要素的味わいを添えて作られており、「ホラー映画」に耐性の無い人でも、無理すれば見られる範囲ではあったかもしれません。
それでもホラー要素はかなり多めで、見せ場も豊富なので、飽きることなく、次に何が起こるのか!?といったワクワク感、期待感を煽られ、スクリーンに惹きこまれます
ところが、「後半」の大暴走ぶりといったら!!
多分、ホラー慣れされていない方や、昨今の一から十まで説明しないと気が済まない作りの映画(それがリアルだと勘違いしているとしか思えない・・)に身をゆだねている観客からしたら、唐突とも思える後半の展開には驚き、唖然とさせられたかと思います。そして、話の閉じ方を「雑に」感じられたことでしょう。
しかし、私はこう思うのです!
後半こそ、この映画の真骨頂だ!
飽くなき美への追及が、やがて若々しい肉体の自分に嫉妬し、醜く老いた肉体の自分を嫌悪し、それぞれが自暴自棄となり、崩壊してゆく肉体・・
その人体崩壊ぶりに、私みたいな「アフォ」な、B級ホラー映画ファンは拍手喝采を送るのです。
そして
「おおっ、ここまでやるかぁ!まぁ、でもこれクライマックスかな?」
と思っていると更にもう一段見せてくれる
「おおっ!!やるじゃないい!そうくるかぁ!!」
そして、その感動のさらに斜め上を行く展開に・・・!?
「キタァ!!!それじゃぁぁぁぁ!!」
そして、ラスト・・
「キショい・・、でも、悲しい・・」
と、これだけ潔くドアフォ展開を見せつけられ、なんとも爽快な鑑賞感を得られるのです
これぞ、私の求めていた、80年代タイプのB級ホラーだ!と、大興奮のまま劇場を後にしました。
まごうことなきB級ホラー映画

あらかじめ申し上げておきますが、これは私の偏った映画の見方であって、大方の見方とは違うと思いますし、間違った見方だとも感じております。しかし、私はどうしても、こう感じてしまうのです・・。
本作は社会派作品の皮を被った、まごうことなきB級ホラー映画である!
と
もっと言ってしまえば、作り手は、かつてのB級ホラー映画をスクリーンによみがえらせたかった。そして今現在社会問題になっているセクハラだルッキズムだ、ミソジニーだをシナリオにくっきり顕在化させることにより社会派作品の皮を被らせ、アカデミーやカンヌなどに殴り込みをかけたのではないか?B級ホラーなど見向きもしない映画賞界隈に注目させ、一気にB級を叩きつけた!そう感じてしまうのです。
それが証拠に、本作は過去のホラー映画の名作のオマージュに溢れています。それは、露骨なほどに・・。
オマージュと言えば聞こえがいいですが、ホラーマニアであるB級映画の作り手がよくやる手法としての「大好きなホラー映画のものまね」に本作が溢れているということです。あのシーン、このシーンに、どこかで見た既視感を抱き、B級ホラーファンは歓喜してしまいます。そして、作り手に「あんたも好きねぇ~」と称賛を贈ってしまうのです。
そもそも、本作で描かれているような「美への追及」「老いへの恐れ」「ルッキズム」「ミソジニー」などのテーマは、ホラー映画が描く永遠のテーマの一つであって、今さら注目されたテーマなのではありません。古今東西、これらのテーマで描かれたホラー映画はたくさんあるのです。そしてそれらを追い求めてきたことにより起きる肉体変容、精神崩壊・・。これらがグチャドロな表現によってスクリーンに叩きつけられたのがB級ホラー映画だったわけです。
これまでのB級ホラーと違い、賞レース界隈に注目されたのは、社会問題を巧みに組み込ませた脚本が素晴らしかったというのは言うまでもありません。
また、今回、私らが青春時代(より少し後か・・(;^_^A)に一世を風靡した女優 デミ・ムーアが主人公として起用されたことも賞レース界隈から注目された一因であったと思われます。
過去に活躍したものの、人気の落ちてしまった役者を主役としてよみがえらせる・・。これもB級ホラー映画あるあるでもあります。
デミ・ムーアはその知名度の高さとは裏腹に、あまり作品に恵まれている女優とは言えません。ラジー賞の常連女優でもありましたし、私生活でも波乱万丈でした。
「老い」と「人気の凋落」に苦しむ女優という役どころをデミ・ムーアにキャスティングするという制作方にちょっと悪趣味なところを感じてもしまうのですが、このデミ・ムーアがそれに全力で応え、現状の彼女、そして波乱万丈だった過去を投影したかのような熱演は迫力があり、本作のドラマパートをぐいぐいと引き上げました。
『不謹慎』?

X(旧Twitter)上で一部話題に上ったようですが、この作品や、この作品のあるシーンを「笑った」男性客に対する批判?のようなものに対して嫌悪感を示すような書き込みや反応があったとか・・
私は、それら投稿を観ていないので、詳細は分からないのですが、私のような末端Xユーザーの目に入ってこないということは、さほど炎上などしたわけではないと思うのですが、この作品を観て嫌悪感を抱くのは当然であると同時に、これを嫌悪する観客もいるように、また、賛美したり、笑って楽しむ観客もいる、のは理解していただきたいです。
なにしろ、この映画は
まごうことなきB級ホラー映画なのだから!!
くどいですねっ、ハイ!すみません!
しかしっ
B級ホラー映画、というのは、そもそもが不謹慎なのです。
「不謹慎」という毒を抜いたらホラー映画として成り立つことができません
「生命」「健全な肉体・精神」「神仏・信仰」「日常・道徳」これらのまっとうな人間としての成り立ちに暗い影を落とし、脅かすことが「恐怖」の根源であり、それを映像化し、映画として楽しむ行為自体が「不謹慎」なのです。
本作が、一部映画ファン(一部ではないかも・・・)から「不謹慎」と思われる要素でもある
踊る美乳・沸き立つ美尻・崩れ落ちる肉体・飛び散る肉片と血しぶき
それがたっぷりと詰まっていて、スクリーンを染めつくします
そう、これが本作がB級ホラー映画である一番の理由です!
はい、そんなわけで、まだ本作をご覧になっていない方で
「ホラーに慣れていない」
「不謹慎な描写は嫌い」
な方は、鑑賞をあきらめるか、よくよく再考なさってください(笑)
→現に観に行った時にも、映画の途中で席を立ち戻ってこなかったお客さんや、飛び上がったり、目を隠してみていた客もいたので・・
ただ、それを覚悟してご覧になるなら、きっと本年一番の衝撃を受けることは間違いないと思います!
そしてB級ホラー映画に興味を持っていただけたら嬉しいかも!

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投稿を表示肉片?😨も💦💦
予告ではそこまでじゃなかったですよね、情報ありがとうございます
面白そうと思いつつ💦💦🥶💦
記事拝見しておけて良かったです
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投稿を表示R・アルドリッチの「何がジェーンに起こったか」を彷彿する作品という記事を見ましたが、そんな話ですか?もうどうな話しか、忘れましたが…
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投稿を表示思わず読み耽ってしまいましたし、観たくなりましたよ♪
B級は嫌いじゃ無いので楽しみです、映画館へ行けるかなぁ?
デミ・ムーアは良い女優さんですよね、彼女が主演なだけで期待大。
素敵なレビューをありがとうございます、楽しみが増えました。