DISCASレビュー

カッツ
2025/10/13 07:36

ラ・ラ・ラ・ランド

『ラ・ラ・ランド』はミュージカル映画でありながら、歌と踊りだけではなく、夢と現実、愛と別れを繊細に描いた物語である。
女優を目指すミアと、ジャズミュージシャンとして成功を夢見るセブ。ふたりは売れない時代を支え合いながら過ごし、互いの夢に向かって歩き出す。しかし、ミアがイギリスで役を得たことで、ふたりの関係は終わりを迎える。
時は流れ、ミアは女優として成功し、別の男性と結婚して子どもも生まれる。ある日、夫婦で外出した帰り道、ミアはジャズバーから流れてくる懐かしい旋律に足を止める。自然と店に入ると、そこにはセブがいた。ふたりは目を合わせるが、言葉を交わすことはない。ただ静かに、過去と現在が交差する瞬間が訪れる。
そのラストシーンは、言葉にできないほど切なく、美しい。夢を追いかけたふたりの選択が、音楽と映像によって静かに語られる。ミュージカルとしての完成度も高く、音楽もダンスも心に残る名作である。
 

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