カッツ
2025/11/04 07:38
座頭市物語
1962年公開の『座頭市物語』は、勝新太郎の当たり役として知られる座頭市シリーズの記念すべき第一作であり、シリーズ中でも最も座頭市らしい魅力が凝縮された作品だと感じる。
盲目であることからヤクザたちに蔑まれ、侮られる座頭市。しかし、彼は居合斬りの達人であり、圧倒的な技で彼らを打ち倒していく。そのギャップが痛快であり、観る者の心を強く揺さぶる。
以降のシリーズでは、座頭市が“目の見えない超人”のように描かれる傾向が強まり、初期作にあった人間味や哀しみがやや薄れてしまったように思う。
1960年代の日本は、まだ国力が十分とは言えず、世界から侮られることもあった。そんな時代にあって、弱者でありながら誇りを持ち、侮りに対して毅然と立ち向かう座頭市の姿は、多くの日本人の心に響いたのではないだろうか。
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