恐怖の火星探険
恐怖の火星探険
1958年 アメリカ 劇場未公開
スタッフ 監督:エドワード・L・カーン 製作:ロバート・E・ケント、エドワード・スモール
脚本:ジェローム・ビクスビー 撮影:ケネス・ピーチ・シニア
キャスト マーシャル・トンプソン、ショーン・スミス、キム・スポルディング、アン・ドラン、
ダブス・グリア、レイ・“クラッシュ”・コリガン、ポール・ラングトン ほか
映画は火星表面に不時着したロケットの残骸という意外なオープニングで幕を開けます。実はこのロケット、人類史上初の火星探検船、チャレンジ1-4-1のなれの果てでありました。不時着から6ヶ月、火星に到着した救出船、チャレンジ1-4-2の乗組員はたった一人生き残っていた、1-4-1の船長、カルザース大佐(マーシャル・トンプソン)を発見しますが、彼が生き残る為に、残りの乗組員を殺害したのではないかと疑い、地球に告発します。離陸作業中に鳴り響く警報、チャレンジ1-4-2の船長、ヴァンハーゼン(キム・スポルディング)、貨物搬入ハッチの一つが開いたままなのに気づきますが、乗組員のコルダー中尉が「あっ、ぼく、さっきゴミをすてて開けっぱなしにしてました、ども、すいません」と余計なことを言うもんですから、納得してそのまんま。そこから何やら怪しい影が・・・

地球へ帰還する宇宙船の中に侵入していた怪物の恐怖、といえば「エイリアン」(79)だが、その20年前に作られていた作品。火星から地球へと向かうロケットの中に、ヒューマノイド型の怪力エイリアンが潜入、乗員を次々に殺しながら階層式の船内を昇ってくる……。映画の出来は50年代のB級SF映画といったところだが、今や「エイリアン」の基になった作品として有名になってしまった。実際、プロットだけでなく、ダクトやエアロックの使い方など類似点は少なくない。宇宙船内であるにも関わらず、拳銃を撃ち、手榴弾を用い、挙げ句にバズーカ砲まで使って怪物の撃退を図るという、乗員の戦闘描写には「エイリアン2」もインスパイアされている?