DISCASレビュー

カッツ
2025/12/10 08:27

ニンフォマニアック

2013年、ラース・フォン・トリアー監督によるデンマーク映画で、女性のセクシュアリティをテーマに、強い性的衝動を抱えた主人公の半生を描いている。

物語は、主人公ジョーが自らの体験を語る形で進行し、性への欲望と孤独、そして社会との断絶が静かに浮かび上がる。彼女の行動は、一般的な価値観からは理解しがたい部分も多く、観る側に強い違和感や戸惑いを与えるかもしれない。しかし、それこそがこの作品の挑戦であり、セクシュアリティを「病」や「逸脱」としてではなく、人間の深層にある欲望として描こうとする意図が感じられる。

男性視点から見ると、距離を感じる場面もあるが、それは単なる拒絶ではなく、理解しようとする過程の一部なのかもしれない。観る者の価値観を揺さぶる、非常に挑戦的で思索的な作品だった。

コメントする