DISCASレビュー

k.a
2025/08/06 22:58

ヴァチカンのエクソシスト

『ヴァチカンのエクソシスト』(2023年、米国、原題:The Pope's Exorcist)は、ジュリアス・エイヴァリー監督、ラッセル・クロウ主演の超自然的ホラー映画。実在のエクソシスト、ガブリエーレ・アモルト神父の回顧録『エクソシストは語る』を基に、1987年のスペインの古い修道院で、悪魔に憑かれた少年ヘンリーを救うため、アモルト(クロウ)と若き神父トマース(ダニエル・ゾヴァット)が戦う物語。ラッセル・クロウのユーモアと威厳を兼ね備えた演技が光り、スクーターに乗る神父の軽妙さが重いテーマを和らげる。悪魔との対決はVFXを駆使した派手な演出で、アクション寄りのホラーとしてテンポよく楽しめる。ただし、ストーリーは典型的なエクソシスト映画の枠を出ず、教会の暗い過去や悪魔の正体がやや誇張気味で、深みは薄い。国際エクソシスト協会からは「不正確」と批判される一方、テーマの自己犠牲が一部で高評価。

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