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なぜこの邦題にしたんだろう？？そしてなぜこんなジャケ写にしちゃったんだろう…。

そんな風に感じる映画って、たま〜に出会うと思います。ただそれが心惹かれる内容だったりすると、なんだか勿体ないな…と感じてしまうことありませんか？

私のこれまでのホラー偏愛人生から見ても、この作品ほどイメージとかけ離れたホラーはないと思う映画が今回ご紹介する『拷問男』です。(原題:DADDY'S LITTLE  GIRL)

一見するとコミカルな感じのジャケット写真には、幼女と思われるイラストに「イダイヨォー…イダイヨォー…」の文字。これではまるで幼女を拷問するのが趣味のサイコ野郎無敵ストーリーかと思ってしまいませんか？？

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この作品は二部構成になっており、前半と後半で毛色がまったく異なります。

前半は夫婦の幸せな出産シーンから始まり、時間の経過と共に家族の関係性が変化していく様と誘拐殺人事件の概要がかなりしっかりと描かれています。様々な立場の人間関係とそれぞれの思いが交差していき、まるでヒューマンドラマのようです。

突然起きた忌まわしい事件に翻弄されどんどん精神を崩壊させていく両親の姿には、誰もが言葉を失うほどの重たさを感じることと思います。

ところが、後半は一貫して父親による拷問劇(復讐劇)が繰り広げられます。前半は映像も柔らかい感じでしたが、後半は色使いや音響含め、奇抜で暗いサイコな雰囲気です。

『拷問男』とまで名付けられたスプラッターホラーなのだから、どんなに残酷でグロい描写があるのかと思いきや、私的にはやや物足りない感じ…。いちいち説明がある丁寧な拷問内容になっていますが、犯人がクズすぎて1mmも同情できないことも一因かと思われます。

ただ【〇〇から有刺鉄線】拷問は、この作品一番の見どころかもしれません。ちょっぴりコメディチックな拷問で「もっとやれー！」と応援したい気持ちになりました。(笑)

とは言え、いくら復讐したとしても最愛の娘は帰ってこないし、家族の心が救われることは永遠にありません。

この作品のテーマとしては、小児性犯罪者に対する刑の軽さと再犯率の多さについての問題提起だと感じました。

意外すぎる社会派ホラー作品『拷問男』　　よろしければぜひ一度、ご覧になってみてください。

※拷問シーンに関しては、ややグロ慣れしすぎている私個人の感想となります。苦手な方は前半だけ見るのもオススメです。

《作品情報》

製作年：2012年

製作国：オーストラリア

原題：DADDY'SLITTLE GIRL

《キャスト・スタッフ》

監督：クリス・サン

出演：ビル・ベイカー、マイケル・トムソン、アリーラ・ジャクエス、ホーリー・フィリップス、シヨーン・ガノン

《解説・あらすじ》

想像を絶する拷問描写を通して、社会の闇を描いたスプラッターホラー。幼い娘を殺され、復讐を誓ったシングルファーザーのデレクは犯人を見つけ出し、自宅に監禁する。凄惨な拷問で犯人に苦痛を与えていくうちに、デレクの残忍な本性が現れ...。