放射能X
放射能X
1954年 アメリカ 劇場公開:1954年8月
スタッフ 監督:ゴードン・ダグラス 脚本:テッド・シャードマン、ラッセル・ヒューズ 製作:
デヴィッド・ウェイスバート 原案:ジョージ・イェーツ 撮影:シド・ヒコックス
編集:トーマス・ライリー 音楽:ブロニスラウ・ケイパー 特撮:ラルフ・エヤーズ
キャスト ジェームズ・ホイットモア、エドマンド・グウェン、ジョーン・ウェルドン、ジェームズ・
アーネス、オンスロー・スティーブンス、シーン・マックローリー、クリス・ドレイク、
サンディ・デスチャー、ドン・シェルトン、オーリン・ハウリン、フェス・パーカー ほか
ニュー・メキシコ州警察のベン・ピータスン部長(ジェームズ・ウィットモア )は、砂漠をパトロール中、何かひどいショックをうけたらしい5、6歳の少女を発見し、またそこからかなり離れたところで蟻酸にやられた父親の死体を発見した。附近に残された足跡を手がかりとして大がかりな調査団が組織された。メムバーの中には昆虫学者ハロルド・メドフォード博士(エドモンド・グウェン)と令嬢のパトリシア博士(ジョーン・ウェルドン)が加っていた。一行は苦心惨胆の末、足跡の主と目される体長10尺余りの巨大な蟻を発見した。メドフォード博士はこの大蟻を原爆実験の放射能による突然変異によると推論、空中からの再調査で直径約10メートルに及ぶ蟻の大穴をつきとめた。一行は近代火器を活用して大穴に迫り、大蟻を全滅したが、女王蟻が1匹だけ何処かへ飛び去った。

本作公開の前年に「原子怪獣現る」が大ヒットすると、これ以降放射能と関連付けられたモンスター映画は量産されることになる。そんな中に公開されたのが「ゴジラ」なのだが、その5カ月前に公開されモンパニ映画界で今に至るまで息の長い人気を誇っているのが本作だ。当初、ワーナーは本作の企画に興味を示さずお蔵入りになりかけたが、パラマウントが興味を示して配給に乗り出したことから大慌てとなり、結局ワーナーの配給で制作されることになった。また、当初は3Dカラーで撮影される予定だったが、カメラの故障によりモノクロ2Dでの撮影となった。しかし、一部のカットやタイトルがカラーである点などその名残が残っている。詳細に設定された蟻の生体や軍、政府の対応まで極めてリアリティさを追求した脚本。そして実力派を廃した俳優たちの演技に手堅い演出と、どれをとっても第一級の仕上がりで、一時怪獣映画ファンから「東の『ゴジラ』。西の『放射能X』」と並び称されるほどの人気を誇った真の傑作であると思います。ちなみに「エイリアン2」が、本作に触発されたのは有名です。
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投稿を表示これまた私の好きな怪物の映画ですね。そう、今じゃモンパニって言葉があるので紹介しやすいのがいいです。
京介さんの書かれているように巨大蟻にも政府や軍の対応にも非常にリアリティがあって、子供向けと思われていたSF映画が大人の鑑賞に耐えるものだと知らしめたことは本作の功績でしょう。そういう意味では「東の『ゴジラ』。西の『放射能X』」っていうのは納得です。
『エイリアン2』が本作に触発されたというのは初めて知りましたが、確かにそうですね。あっちの方が知能が高そうだから、より怖いですけどね。