カッツ
2025/12/09 09:04
娼年
石田衣良原作、2018年公開。R18+指定の本作は、若い男性が“娼夫”として様々な女性と関わる中で、性と心の奥底にある孤独や欲望に触れていく物語である。
本作は、女優・江波杏子の遺作でもあり、彼女は年老いた女性が若い娼夫を求める役を演じている。その存在感と演技は圧倒的で、人生の終盤に差し掛かった女性の切実な欲望と孤独を静かに、しかし力強く表現していた。彼女がこの作品の出演後に亡くなったこともあり、より一層深い余韻を残す。
男も女も、年齢に関係なく、誰もが心と身体のつながりを求めて生きているのだと、改めて考えさせられる作品だった。性を描きながらも、それ以上に“生”を見つめた映画である。
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