カッツ
2026/01/05 08:26
花へんろ ~風の昭和日記~
四国の遍路道沿いにある商家を舞台に、家族とその周囲の人々が織りなす人間模様を描いたドラマ『花へんろ ~風の昭和日記~』。物語は大正12年の夏、東京の音楽大学を目指していた静子が、関東大震災の報せを受けて上京を断念せざるを得なくなる場面から始まる。早坂暁の脚本、桃井かおり主演による、どこか懐かしさの漂う作品である。
古いドラマではあるが、渥美清の語りが実に味わい深く、物語に温度と奥行きを与えている。そして何より、若き日の桃井かおりが素晴らしい。まだ素朴さの残る“芋姉ちゃん”のような雰囲気が役柄にぴったりで、気づけばすっかり魅了されてしまった。
四国の風景と昭和初期の空気感が丁寧に描かれ、静かながら心に沁みる作品だった。
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