カッツ
2025/12/17 13:06
チョコレート
2001年/監督:マーク・フォースター/主演:ハル・ベリー
本作は、死刑執行官として働く白人男性と黒人女性との関係を軸に、人種差別や偏見、そして喪失と再生を描いた重厚な人間ドラマである。
タイトルの「チョコレート」は、黒人女性と白人男性の関係を暗示する言葉として用いられているように思える。当初は劇中に登場するチョコバーやチョコアイスクリームに象徴的な意味があるのかと考えたが、物語が進むにつれ、異なる立場の人々が心を通わせていく過程を象徴するものとして理解できた。死刑執行の場面は淡々と描かれ、執行する側にも苦しみや悲しみがあることが静かに伝わってくる。
社会の底辺に生きる人々の日常は抑制された筆致で描かれているが、その中に潜む痛みや孤独がじわじわと胸に迫る。特にハル・ベリーの演技は圧倒的で、ベッドシーンは激しくも印象的であり、彼女の女優としての新たな一面を示していた。強い衝撃を受け、この場面だけでも本作を観る価値があると感じた。
ハル・ベリーは本作でアカデミー主演女優賞を受賞し、その演技力の高さを世界に示した。『チョコレート』は、人種や立場の違いを超えて人間が心を通わせる姿を描いた作品であり、深い余韻を残す一本である。
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