『潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断』海の男たちの道義を描いた胸熱の実話
『潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断』
2023 イタリア🇮🇹ベルギー🇧🇪 121分
Discover usから案内いただき、オンライン試写で鑑賞させていただきました。
時代は1940年10月、第二次世界大戦の最中。イギリス軍への物資支給を絶つ作戦を命じられたサルヴァトーレ艦長とその部下たちが、イタリア海軍潜水艦コマンダンテ•カッペリーニに乗船し、敵国と遭遇しながらも命の重さを思い知り、生きる事の大切さを教えてくれる骨太かつ胸熱のヒューマニズムに溢れる秀作でした。
イタリア海軍で最も無謀で熱狂的な少佐と言われたサルヴァトーレ艦長。
彼と潜水艦に乗船する兵士の間で発せられる『船乗りたるもの海で死すべし』
その士気高揚とした言葉が出る都度、妻と生まれてくる子供を想い、そして若い部下たちとの交流の中で、命の重さと尊さについて気づきを得ていく。
ジブラルタル海峡での海中機雷や敵国の戦闘機による空襲。サルヴァトーレの部下たちが、数々の困難に立ち向かい任務を遂行していくエピソードが胸に刺さる。
部下に対して誰に対しても公平で、統率力があり、危機管理にも長けている。時に厳しく、時に優しい、部下を褒める。サルヴァトーレの姿は、現代にも通じる理想のリーダー像ではないでしょうか。
この映画の最大の肝である中盤での船籍不明の貨物船との遭遇。
『我々は敵艦は容赦無く沈める。だが人間は助けよう』
サルヴァトーレのこの言葉に込められた思いと、戦時下においても人として道義を果たしていく姿に心うたれました。
映画のフライヤーからの引用ですが、『潜水艦コマンダンテ•カッペリーニは、この物語の後、1943年にドイツ軍指導下で極東に派遣され、イタリア降伏後に日本軍によって拿捕されたようです。その後、ドイツ軍に引き渡されドイツ海軍潜水艦となり、ドイツ降伏後に日本軍に接収され『伊号第五百三潜水艦』となり、1945年日本降伏により連合国によって海没処分されたとのこと。その間、ずっとイタリア兵が乗艦してたようで、彼らは日本に残り遺族も日本に暮らしてる。』とのこと。
本作のストーリー以外に、潜水艦が上記のような数奇な運命を辿ってきた事に驚きました。日本も関わっているとは!
本作のユニークな仕掛けがエンドロールにあります。作中に出てきたある物ですが、イタリア◯◯ってこんなにあるのか!と最後まで興味深く聴き入りました(笑)
真相は映画を観て確かめてください。
2024年7月5日 全国公開です。
キャスト:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、マッシミリアーノ・ロッシ、ヨハン・ヘルデンベルグ、アルトゥーロ・ムセッリ、パオロ・ボナチェリ、シルヴィア・ダミーコ
監督:エドアルド・デ・アンジェリス
プロデューサー:ミハウ・クフィェチンスキ、パトリック・ペリディス
脚本:サンドロ・ヴェロネージ、エドアルド・デ・アンジェリス
撮影:フェラン・パレデス・ルビオ
音楽:ロバート・デル・ナジャ(3D)
2023/イタリア・ベルギー/イタリア語・オランダ語/シネマスコープ/121分/ 原題:Comandante
配給: 彩プロ ©2023 INDIGO FILM-O’GROOVE-TRAMP LTD-VGROOVE-WISE PICTURES
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