映画『ア・フュー・グッドメン』~法廷経験なき若手弁護士が海兵隊員殺害事件の真相に挑む~
概要
劇作家であり脚本家としても活躍するアーロン・ソーキンによる舞台劇を青春映画の名作『スタンド・バイ・ミー』で知られるロブ・ライナー監督が映画化した法廷サスペンス。アメリカ海軍基地内で発生した海兵隊員殺害事件の真相に迫る若手弁護士の姿を描き出していく。映画『トップガン』、『マイノリティ・リポート』で知られるハリウッドのトップ俳優トム・クルーズが主演を務め、3度のアカデミー賞に輝くジャック・ニコルソン、『ゴースト/ニューヨークの幻』で知られるデミ・ムーア、『フットルース』、『激流』で知られるケヴィン・ベーコンが脇を固めている。

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あらすじ
キューバにあるグアンタナモ海軍基地で海兵隊一等兵サンティアゴが殺害され、容疑者として海兵隊上等兵ドーソンと一等兵ダウニーが逮捕された。
起訴されたドーソンとダウニー2人の弁護人となったダニエル・キャフィ中尉はハーヴァード大学を卒業した法廷経験のない若手弁護士。キャフィは裁判を簡単に済ませようとするが、被告2人の特別弁護人となったジョアンナ・ギャロウェイ少佐から司法長官を務めた父親のことを話題に出されて叱咤激励された末にサム・ワインバーグ中尉と共に裁判に挑むことを決めた。
キャフィ、ギャロウェイ、ワインバーグの3人は海兵隊員殺害事件の裏に基地の総司令官ジェセップ大佐の存在と暴力的制裁「コードR(レッド)」が絡んでいることを突き止めるのだが・・・
映画評
ハーヴァード大学卒業者でありながら法廷経験のない若手弁護士をトム・クルーズが演じ、海軍の制服に身を包んだ凜々しい姿に魅せられる。同じ海軍の制服姿を披露した映画『トップガン』とは対照的に本作はキスシーンもなければアクションシーンもない。原作は映画と同名の舞台劇であることから会話劇という印象が強く、ストーリーが平坦で盛り上がりに欠けて退屈に感じられてしまう。
ジャック・ニコルソン演じる狡猾な大佐とクルーズ演じる若手弁護士が法廷で向き合って事件の真相に迫り、大佐の発言の矛盾を指摘していくシーンは一見の価値がある。
トリビア
映画『ザ・エージェント』でアカデミー助演男優賞を受賞したキューバ・グッディング・ジュニアが出演している。
脚本を担当したアーロン・ソーキンは映画『ソーシャル・ネットワーク』でアカデミー脚色賞を受賞した。
グアンタナモ海軍基地にはキューバで唯一のマクドナルドがある。
バラク・オバマ大統領は2008年の大統領選挙でグアンタナモ海軍基地内にある収容施設の閉鎖を公約として掲げたが、共和党を中心とする連邦議会議員の反対により実現しなかった。
第65回アカデミー賞で作品賞、編集賞、音響賞、ジャック・ニコルソンが助演男優賞にノミネートされた。
舞台『ア・フュー・グッドメン』は1989年にブロードウェイで最初に上演された。
2015年に舞台『ア・フュー・グッドメン』の日本版が東京都で上演された。
ドナルド・サザーランドの息子キーファー・サザーランドが出演している。キーファーはロブ・ライナー監督の映画『スタンド・バイ・ミー』にも出演している。
映画『ア・フュー・グッドメン』予告編