DISCASレビュー

カッツ
2025/11/25 08:13

オアシス

2002年公開の韓国映画『オアシス』は、社会に馴染めず孤立した青年と、脳性麻痺で身体が不自由な女性との間に芽生える、特異ながらも純粋な愛を描いた感動作である。

主人公の青年は、30歳を目前に刑務所から出所したばかり。社会との接点を持てず、周囲からも理解されない彼が、ある日出会ったのは、重度の障害を抱えながらも強い意志を持って生きる女性だった。二人の関係は、世間の常識や偏見からは逸脱しているように見えるが、その心の交流はどこまでも真っ直ぐで、切実なものだった

特に印象的だったのは、女性を演じたムン・ソリの演技。まるで本当に脳性麻痺を抱えているかのような迫真の演技で、彼女の表情や声の震え、身体の動き一つひとつに魂が込められていた。その演技力は、観る者に深い感情の揺れをもたらす。時々妄想の中で障害がない彼女が出てくるが、結構美人でびっくりする。

『オアシス』は、社会の周縁に生きる人々の孤独と、そこに芽生える希望のような愛を描いた作品であり、観終えた後も心に静かに残る余韻がある。障害や過去を越えて、人と人がつながることの意味を、改めて考えさせられた。

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