今年一泣いた映画『ディア・ファミリー』を簡潔かつ熱く伝えたい。
こんにちは!
そぜシネマです。
『今日何観よう?』のお手伝いができるように
お茶の間や映画館からつながる良質映画を厳選紹介しています。
突然ですがあなたは映画館で号泣したことはありますか。
私は実はあまり号泣するタイプではなく、心の内からジワジワ来て、
映画館を後にした帰り道に思い出し泣きをするみたいなケースが多いのです。
『パーフェクトデイズ』
『ワンダー君は太陽』
『湯を沸かすほどの熱い愛』
これはどれも劇場で嗚咽するほど泣きました。そして今回それと同様、いやそれ以上に号泣した映画を観ました。
そんな『全俺が泣いた』作品はこちらです。
ディア・ファミリー
製作年 :2024年
製作国 :日本
上映時間:113分
監督 :月川翔
キャスト:大泉洋 菅野美穂 福本莉子 川栄李奈 有村架純
<あらすじ>
小さな町工場を経営する坪井宣政は、生まれつき心臓疾患のある幼い娘・佳美の余命が10年と宣告されてしまう。20歳まで生きられないと、理不尽な現実に絶望し、誰にも頼れないならと、自分の手で人工心臓を作ることを決意する。生まれながらに心臓に疾患を抱える娘を救いたい一心で、医療に無縁だった町工場経営者が、人工心臓の製作を決意し、やがて世界中で多くの命を救うカテーテルを開発した感動の実話を映画化したヒューマン・ドラマ。
もう、これだけで泣きますよね。
そしてこの話。実話なんですよね。
さまざまな困難を乗り越えて開発したIABPバルーンカテーテルは結果的に娘の命は救えなかったが娘との固い約束でもあった「一人でも多くの生命を救いたい」という会社の経営理念通り、すでに全世界で約17万人の心臓病の生命を救ってきた。
「娘を救うために人生をかけて開発してきた人工心臓の技術が、バルーンカテーテルという形で娘以外の患者を救うこと」。
客観的には素晴らしい功績だが、本人にとってはさぞかし心が痛み、苦渋の決断だったことが映画を通じて強く感じられる。
人工心臓をつくって心臓を治してあげると大見得を切ったけどそれはできないと分かった。それを娘に伝えた時の「私の生命はもういい、お父さんが1人でも多くの生命を救うことが誇りだ」と。
その苦渋の決断を伝えた筒井さん。そしてそれを受け止めて技術を世界へ活かす選択を促した娘さんの深く広い人間性。こんなにも尊い親子の愛があるのだろうか。二人の信頼関係に心から感動した。
その二人の約束が会社の経営理念となり、形になった国産初のIABPバルーンカテーテルは世界約17万人の生命を救っただけでなく、日本のみならず世界のメディカル・デバイス産業が飛躍的に発展している事実。ノーベル賞を取ってもおかしくない偉業だと心から思う。
一つ補足を。
この話のモデルとなった方は東海メディカルプロダクツの筒井宣政という方で、大学の大先輩かつ同じ支部。同窓会行事ではよくお目にかかっており、大変良くしていただいていた方。
直接カテーテルや本作のストーリーについてはお聞きしていなかったが、こうして鑑賞しながら人物像を重ね合わせながら観ると改めて素晴らしい偉業を成し遂げた方だと思います。
また本作の脚本から構成、演出、キャストにわたり、心から良いものを作り上げようという意気込みがスクリーンから感じ取れました。現に、上映中は周りの嗚咽やすすり泣き、メガネを外して目をこすり、ハンカチでずっと目を覆い続けている方等、劇場内の色々な想いや一体感を感じられ、直接目を合わせていない他の観客と映画の余韻を一緒に楽しめる作品でした。
上記忖度抜きにしても本当によく出来ている作品となっています。
一つの親子の深い愛情と固い約束から生まれた医療機器が世界中の人々を今も救っている。
ぜひ、多くの方にご覧いただきたいです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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