DISCASレビュー

k.a
2025/06/15 00:34

侍タイムスリッパー

「侍タイムスリッパー」(2024)は、安田淳一監督による自主制作の時代劇コメディ映画。幕末の会津藩士・高坂新左衛門(山口馬木也)が、落雷で2007年の京都・東映太秦撮影所にタイムスリップし、江戸幕府の滅亡を知り愕然。心優しい人々に助けられ、「斬られ役」として時代劇の世界で生きる姿を描く。低予算(2600万円)ながら東映京都撮影所の協力を得て、緻密な殺陣とユーモアが融合。山口の誠実な演技、冨家ノリマサや沙倉ゆうのの脇役が光り、峰蘭太郎らベテランが彩りを添える。伏線回収の巧妙さと「カメラを止めるな!」を彷彿とさせる単館上映から全国380館へ拡大する大ヒットで、第48回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞。笑いと涙、時代劇への愛が詰まった名作。

コメントする