ごく普通の男が復讐鬼へと変貌を遂げる等身大のアクション映画!『サイレントナイト』
■サイレントナイト

『男たちの挽歌』や『フェイス/オフ』、『レッドクリフ』2部作を手掛けたジョン・ウー監督の新作はリブート版『ロボコップ』のジョエル・キナマンを主演に迎えた声を失った男の復讐劇を描いたアクション映画!妻と子供と幸せに暮らすブライアンは2021年のクリスマスイブにギャングの抗争に巻き込まれ、息子が流れ弾で亡くなり、自らも銃撃で声を失ってしまう。ブライアンは1年後のクリスマスイブに向けてプラヤをボスとするギャンググループへの復讐を誓い、己を鍛え、グループを調べ上げ、着々と準備をする。主人公・ブライアンをジョエル・キナマンが演じ、他スコット・メスカディ、ハロルド・トレス、カタリーナ・サンディノ・モレノなどが出演。
・4月11日(金)より新宿バルト9全国ロードショー【R15+】
・配給:クロックワークス
・上映時間:104分
【スタッフ】
監督・製作:ジョン・ウー/脚本:ロバート・リン
【キャスト】
ジョエル・キナマン、スコット・メスカディ、ハロルド・トレス、カタリーナ・サンディノ・モレノ
公式HP:https://klockworx.com/movies/silentnight/
こんにちは、じょ〜い小川です。
今回はジョエル・キナマン主演、ジョン・ウー監督作品『サイレントナイト』をオンライン試写にて一足お先に鑑賞。
日本公開作品としては2019年公開のチャン・ツィイー主演作『The Crossing ザ・クロッシング』2部作、アクション映画としては2018年公開のチャン・ハイユー&福山雅治W主演作『マンハント』以来の監督作品になるジョン・ウー監督によるアクション映画『サイレントナイト』。
ジョエル・キナマンを主演に、声と息子を失った男の復讐劇を断念に、カラッと描いている。

序盤の主人公・ブライアンが遭遇するギャンググループの抗争の巻き込まれから始まり、声と息子を失った男の傷心からのギャンググループへの復讐劇となる。

特徴としては声を発することが出来ない男によるアクション映画だが、それ以上にこの映画は作りが非常に丁寧である。複数いる製作のスタッフが関わるキアヌ・リーブス主演の『ジョン・ウィック』のようでありながらジョン・ウィックのように凄腕の殺し屋ではなく、ジョエル・キナマンが演じるブライアンは妻と息子と幸せに暮らす市井の人で、運動・戦闘・運転能力も特別なものはない。だから、中盤までのブライアンは身体を鍛え、銃撃や運転テクニックを徐々にマスターし、相手の情報を仕入れ、綿密に用意をする。

そして後半はブライアンによる圧巻の復讐劇。主人公が声を失っていることもあって全体的にセリフが少な目な分、アクションを存分に見せている。銃撃を中心に、時折カーチェイスも挟み、近距離ではナイフ攻撃も見せる。

しかしながら、この大バルトにおいてもブライアンは決して無双ではなく、いくらか隙もある。そこにプロの殺し屋ではなく、即席の復讐者のリアリズムがある。それは『ジョン・ウィック』シリーズのジョン・ウィックや『Mr.ノーバディ』のよう殺戮マシンとは違い、人間臭さがあり、これこそが『サイレントナイト』のアクションの味でもある。ギャンググループもザコ、中ボス、ラスボスのプラヤとグラデーションがあり、往年のファミコンのアクションゲームを見ているかのような感覚がある。

ジョエル・キナマンが演じるブライアンだけでなく、スコット・メスカディが演じる地域の警察の刑事の目線もいいアクセントになっている。個人の復讐劇なので、ジョン・ウー監督作品にしてはこじんまりとしたスケールのアクション映画だが、
無双ではない程よい強さの人間臭いアクションもたまにはいいかも。

