DISCASレビュー

カッツ
2025/10/28 07:41

駅station

降旗康男監督による日本映画で、主演は高倉健。北海道の雪景色を舞台に、元オリンピック射撃選手候補だった男が、警官としての人生を静かに歩む姿を描いている。
物語は、彼の目前で上司が連続警察官射殺犯“指名22号”に殺される衝撃的な事件から始まり、その犯人を長年にわたって追い続ける過程が描かれる。途中、いくつかの捕り物があり、やがて偶然にも、親しくなった飲み屋のママの情報から犯人を突き止めることになる。
高倉健は、雪の中で寡黙に佇む姿が印象的で、孤独と責任を背負う男の哀愁を見事に体現している。
また、八代亜紀の「舟唄」が飲み屋のシーンに流れることで、物語に深みと情感が加わり、登場人物たちの心情に静かに寄り添っていた。
刑事ドラマでありながら、人間の孤独や過去との向き合い方を描いた、余韻の残る作品だった。

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