村松健太郎
2024/03/13 15:17
事件は人を翻弄する『12日の殺人』
オスカー受賞の『落下の解剖学』、リュック・ベッソンの『DOGMANドッグマン』などなどフレンチサスペンス(≒フレンチノワール)の公開が続きますが、今週もまた公開です。
2019年・第32回東京国際映画祭コンペティション部門で最優秀女優賞と観客賞を受賞したサスペンス『悪なき殺人』で話題を集めたフランスのドミニク・モル監督による新作サスペンススリラーです。
ポーリーヌ・ゲナによる2020年のノンフィクション書籍をもとに(=つまり実話!ベース)、モル監督とジル・マルシャンが共同で脚本を手がけ、未解決事件の闇に飲み込まれていく刑事の姿を描き出す。
10月12日の夜、女子大学生クララが焼死体となって発見されます。捜査を担当するのは、昇進したばかりの刑事ヨアンとベテラン刑事マルソー。
2人はクララの周囲の容疑者となり得る関係者に聞き込みをすすめると、事情聴取した男たちは全員クララと関係を持っていたことが判明します。
殺害は明らかに計画的な犯行であるにも関わらず、容疑者を特定することができなまま、捜査が行き詰まっていきます。
『落下の解剖学』同様、映画の本筋は”真相の行方”ではなくて”事件に翻弄される人々”の姿を描くのがフレンチミステリーらしいなと思わせる一本です。
コメントする