DISCASレビュー

k.a
2026/01/23 13:04

パシフィック・リム:アップライジング

『パシフィック・リム:アップライジング』は、私にとって前作『パシフィック・リム』の壮大で情熱的な世界観を継ぎつつ、もっとポップで若々しい方向にシフトした続編で、ジョン・ボイエガの魅力が全開で楽しめるけど、どうしても「デル・トロの魂が足りない」って感じが拭えない作品です。2018年の映画で、スティーブン・S・デナイト監督が手がけ、10年後の世界でジェイク・ペンタコスト(ボイエガ)が、父スタッカーの遺志を継ぎながら、新たなカイジュウの脅威と対峙するストーリー。ジャイガーのパイロット養成学校が舞台で、若手パイロットたちとのチームワークや、謎の新ジャイガー「オブシディアン・フューリー」との戦いがメインなんですよね。

まず最高なのは、ジョン・ボイエガのジェイク役。生意気でチャーミングだけど、過去のトラウマを抱えてる感じが、フィン(スター・ウォーズ)っぽさを残しつつ、ちゃんと新しいヒーロー像になってて好き。アクションシーンでの軽快な動きと、仲間との掛け合いが明るくて、観てるだけでテンション上がるんです。特に、ジャイガー同士の戦いや、カイジュウとの大乱闘はスケールがデカくて派手。東京の街を舞台にしたクライマックスは、ビルが崩れ落ちる描写が迫力満点で、IMAXで観たら体が揺さぶられるレベル。新しいカイジュウのデザインも進化してて、複数体で連携する戦いが新鮮でした。

でも、正直に言うと、前作のあの「人類の絶望と希望が交錯する重厚さ」が薄れて、全体的に軽めで予定調和っぽいのが惜しい。デル・トロ監督の独特な雰囲気(暗い色調、雨の多い戦場、Kaijuの生々しさ)がなくなって、明るい昼間の戦闘が多くなったせいで、迫力はあるけど「魂が抜けた」みたいな印象。ストーリーも、謎解きやどんでん返しがちょっと雑で、キャラクターの掘り下げが浅い。スコット・イーストウッドのランボーみたいな役や、ケイリー・スピーニーの少女パイロットは可愛いけど、もっと深みが欲しかったなって思うんです。ニュートとゴットリーブの再登場も、ファンサービスとしては嬉しいけど、ちょっと無理やり感がある。

それでも、ジャイガー vs カイジュウのド派手バトルを求める人には十分楽しめるし、ボイエガのスター性で引っ張ってる部分が大きい。シリーズとして「若返り」を狙った意図は伝わるけど、前作のファンには物足りない「アップデート版」って感じ。観終わったあと「もっとデル・トロ節が見たかった」ってモヤモヤが残るけど、単独で観ると普通に面白いんですよね。

 

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