DISCASレビュー

カッツ
2025/11/21 07:36

アイデンティティ

2003年製作アメリカ映画、一風変わった構成と予想外の展開が印象的なサスペンススリラー?である。物語の舞台は、嵐によって外界から完全に遮断されたモーテル。事故やトラブルで偶然集まった11人の男女が、次々と謎の死を遂げていく。

その死に方も不可解で、誰が犯人なのか、なぜ殺されるのかといった謎が次々に積み重なり、物語はどんどん混迷を深めていく。観ている側も登場人物と同じように混乱し、真相にたどり着けないまま緊張感が高まっていく。

やがて物語は、この出来事が死刑囚マルコム・リバースの妄想の中で起きていたという衝撃的な真実へと収束する。人格障害を抱える彼の内面世界で、複数の人格が“殺し合い”をしていたという設定は斬新だが、最初と最後のつながりが難解で、正直なところ完全には理解しきれなかった

それでも、嵐のモーテルという閉ざされた空間で繰り広げられる連続殺人のスリルは非常に面白く、密室劇としての緊迫感は最後まで持続していた。ホラーとサスペンス、心理ドラマが融合した独特の世界観が印象に残る作品だった。

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