DISCASレビュー

カッツ
2025/10/27 08:29

痴人の愛 (1949)81960)(1967)(2024)

谷崎潤一郎原作、これまで幾度も映画化されてきた作品である。私が観たのは、1960年の船越英二・京マチ子主演版と、1967年の小沢昭一・大楠道代主演版。どちらもいい。主人公は、気の弱いオタク気質の男・譲治。彼はナオミという少女を“理想の女性”へと育て上げようとする。最初はやせ細ってみすぼらしかった彼女は、譲治の手によって洗練され、美しく変貌していく。
しかし、彼の期待とは裏腹に、ナオミは次第に我儘で自由奔放な性格を露わにし、贅沢な暮らしに溺れていく。譲治は彼女に翻弄されながらも、執着と欲望から逃れられず、関係は次第に倒錯と破綻へと向かっていく。直接的な裸身は出てこないが、それを臭わせるシーンが多数あり、エロチックである。

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