DISCASレビュー

カッツ
2025/10/30 07:32

二十四の瞳

1954年公開、木下惠介監督・脚本による『二十四の瞳』は、高峰秀子主演による、まさに日本映画史に残る名作である。
小豆島に赴任した新人教師と、分校に通う12人の子どもたちとの触れあいを軸に、戦争の影が次第に濃くなっていく昭和の時代を静かに描いている。
子どもたちの成長とともに、戦争に巻き込まれていく過程、そして戦後の再会までが丁寧に描かれ、教育とは何か、人と人との絆とは何かを問いかけてくる。
映画全体に漂う落ち着いたトーンと、瀬戸内の風景の美しさが相まって、心を静かに癒してくれるような作品だった。
時代の悲しみを描きながらも、人間の優しさと希望を感じさせてくれる、何度でも観たくなる一本である。

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