DISCASレビュー

カッツ
2025/11/25 08:10

哭声 コクソン

2016年公開韓国映画、韓国の山間部にある村・谷城(コクソン)で起こる連続殺人事件をめぐり、不可解な現象と人間の恐怖が交錯する異色のサスペンスホラーである。出演はクァク・ドウォン、ファン・ジョンミン、そして日本人俳優・國村隼。

物語は、村人が突如として家族を惨殺するという凄惨な事件が相次いで発生し、その背後に“何か”が潜んでいるのではないかという疑念が広がっていく。やがて、村に住み着いた謎の日本人(國村隼)が事件の鍵を握る人物として疑われ、村人たちの不安と偏見が彼に向けられていく

國村隼が演じる日本人は、言葉も通じず、行動も不可解で、韓国人から見た“異質な存在”として描かれている。その描写は、単なる登場人物以上に、韓国人が日本人をどう見ているか、あるいは“他者”に対する恐れや不信がどのように表れるかを象徴しているように感じた

物語は宗教、呪術、民間信仰、そして人間の狂気が複雑に絡み合い、善悪の境界が曖昧なまま進行していく。観る者は何を信じればいいのか分からなくなり、その混沌こそがこの作品の最大の魅力であり、恐怖でもある

『哭声/コクソン』は、ホラーという枠を超えて、人間の本質や集団心理、そして“見えないもの”への恐れを描いた深い作品だった。國村隼の存在感が、物語に不気味なリアリティを与えていたのが印象的である。

コメントする
1 件の返信 (新着順)
さもありなな子
2025/11/25 11:15

難解で、え?どういうこと?そっち?どっち?となりました。
難解だけれど引き込まれる。國村隼さんが本当に怖くて素晴らしかったです。