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2025/07/11 12:17

ピースメーカー

ピースメーカー

 1997年 アメリカ 劇場公開:1998年1月15日

スタッフ

 監   督:ミミ・レダー

 脚   本:マイケル・シファー

 製   作:ウォルター・F・パークス、ブランコ・ラスティグ

 製作総指揮:マイケル・グリロ、ローリー・マクドナルド

キャスト

 トム・デヴォー(ジョージ・クルーニー)、ジュリア・ケリー(ニコール・キッドマン)、

 デューサン・ガブリック(マーセル・ユーレス)、

 アレクサンドル・コドルフ(アレクサンダー・バルエフ)ほか

 

STARTに基づきロシアから解体される予定の核弾頭10発が盗み出され、そのうちの1発が爆発した。核爆発を確認したアメリカは、ケリー博士(ニコール・キッドマン)ら専門家を招集、統合参謀本部第2部ロシア担当情報参謀のデヴ

ォー中佐(ジョージ・クルーニー)はウィーン

で輸送に使ったトラックの足取りを掴む。目的地はコンピュータに記載された謎の記号44E。
その頃、ボスニアでは外交官のデューサン(マーセル・ユーレス)が国連に派遣されることが決定された。一方、監視衛星でトラックを捉えたデヴォーは核弾頭8発の回収に成功する。残りの1発はデューサンの手に渡り、外交官の荷物として無審査でニューヨークに持ち込まれた

。犯行後に公表されるはずのIFOR宛てのビデオを観たケリーは、デューサンの言葉や背景から記号「44E」が緯度44度線上のサラエボではなく国連ビルのある東44丁目(マンハッタン)のことであると断定し、大統領から与えられた権限により、ニューヨークを厳戒態勢に指定、大都市ニューヨークを舞台に「核爆弾を背負ったバックパッカーを探す」と呼ばれる大捕り物を行うことに。

この映画は公開後、全米初登場No.1を獲得しましたが、お祭り騒ぎ的なアクション大作とは程遠い暗い作風だったことや、アメリカ人にとって見たくない現実が描かれていたことからすぐにトップ10圏外へとなり、興行的には成功しませんでした。

爆破アクションが主流だった90年代の映画とは明らかに異質な作品であり、現場での意思決定がスムーズにいかなかったりと、現実的によく

考えられた脚本だと言えます。また、この監督(ミミ・レダー)は人間ドラマを大事にする人なので、「敵=悪」と一括りにしないで敵役の

人間味も丁寧に描かれている社会派サスペンス

としても優秀な一本だと思います。

それにしても、とにかく美しいというイメージのニコール・キッドマンが傷だらけになっても、泥だらけになっても毅然とした演技やジョージ・クルーニーのカッコよさもじゅうぶんに興奮できる映画です。

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